こんにちは。「かなりあ社中」の山本です。今回の「ソーシャル・リーマンズが行く!」は前回に引き続き、「ダイアローグ(対話)」について、紹介していきたいと思います。よろしくお願いします。(前回のコラムは、 こちら

 前回は、「対話と討議の違い」、そして「結果の質ではなく、関係の質を高める対話とは何か」について、説明しました。前回をお読みになっていない方、あるいは忘れてしまった方は、ぜひ読み返していただけると、より今回の内容が分かりやすいと思います。

 前回の最後に宿題を出しました。

 以下のようなシステム開発現場の会話に、ダイアローグ(対話)の要素を取り入れ、関係の質を高める方向に修正すると、どんな会話に変化するか、というものでした。「プロジェクト・マネジャー」のAさん、「システム・エンジニア」のBさんは、「プログラマ」のCさん、「営業担当者」のDさんの4人による、顧客への納期を守るための作戦会議の様子です。

いつの間にか責任の擦り付け合いに

Aさん 「おいおい、このテスト結果は何なんだ。いつまでたってもバグが収束しないじゃないか。このままでは、お客様と約束した納期に間に合わない。いったいどうなってるんだ」
Bさん 「SEとして仕様はきちんと伝えてるんですがね。プログラムの品質がイマイチなんじゃないですか」
Cさん 「ちょっと待って下さい。設計書に記載がなかった追加仕様のプログラミング対応に追われていて、その他の作業が遅れてるんです。もっと早く言ってくれると間に合ったのですけれど」
Dさん 「え? 営業からは、早めに伝えてますよ」
Bさん 「あの曖昧なメールだけで伝えたつもり? 営業がお客様の要望をきちんと整理できないから、いつも俺みたいなSEが苦労するんだよ」
Dさん 「それじゃあ、どうして分からない部分を営業に聞いてこないの?」
Cさん 「あのー、2人の話が終わったら、きちんと紙に書いて仕様を教えてくれませんか? 忙しいので、きちんとした仕様書がないと対応できません」

 いつの間にか責任の擦り付け合いになり、プログラマのCさんは自分の作業範囲を制限して、部分最適な行動をとりつつあります。

 どうでしょう? これに「きちんと相手のことを意識する」対話の考え方を入れたらどう変わるでしょう。みなさん、いろいろなことを思い描いたことと思います。もちろん、正解は一つではありません。ここでは、一例を示してみます。