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【ブランドの要諦:その1】「そもそも、ブランドって何の役に立つの?」に答える“Relevance”とは

岡崎 茂生=北京電通
2011/12/09 08:00
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ブランド構築が何にどう役立つのか、はっきりさせましょう

 11月26日(土)~27日(日)、私は湖南省長沙の湖南大学ジャーナリズム・コミュニケーション&映像芸術学院に招かれてブランドセミナーを実施してきました。その母体である「嶽麓書院」の創立(宋代976年)に遡ると実に1000年以上の歴史を誇る名門・湖南大学の学生は、毛沢東の出身地である地元湖南省をはじめ、広く中国西部や南部から集まった向上心と探究心にあふれた若者たちでした。土曜日に学部生150名を対象に2時間、日曜日は大学院生40名を対象に2時間の予定だったセミナーは、汲めども尽きせぬ泉のごとく溢れ出る学生からの質問のため、大幅に時間を延長して行なわれました。私のブランドセミナーではまず「ブランドは何のためにどう役立つのか」、そのメカニズムを理論的に説明し、その後に実際にブランドを構築し管理するための方法論を、世界中のすぐれた実践事例を通して紹介していきます。 

 多くの皆様がブランド戦略に対して漠然と感じている疑問は、「ブランドが長期的なイメージ資産への投資として成長戦略に必須なのは何となくわかる。だが、ビジネスの現場では短期的なマーケティング戦略と販売施策によるセールスと収益の拡大が優先するので、ブランドが日々のマーケティング成果に直結する効果を持つことをはっきりと示してもらわない限り、ブランド主導のビジネス戦略を信じることができない」ということではないでしょうか?

 これは至極もっともな疑問です。私自身がこれまでマーケティングマネージャーの立場にあるクライアントから何度となく突きつけられたテーマでもあります。ところが、この質問に真っ向から答えた専門書や研究発表は意外なほど少ないのです。そこで、私のセミナーではまず「ブランドイメージと購入意向の間には高い相関関係がある」ことを電通が2002年に発表したブランド測定システム「Brandex」のデータベースとオリジナルソフトウエアを使った分析により証明することから話を始めます。

 結論だけ紹介すると、様々なブランドイメージ項目(Brandexでは200におよぶイメージ項目を用いて調査・分析します)のうち最も重要な指標(KPI:Key Performance Indicators)は4つの因子に集約されます。私達はそれらをRelevance(共感)、Confidence(定評)、Differentiation(識別)、Growth(成長)と名づけました。そしてこれらの最重要ブランドイメージ4因子が購入意向と高い相関をもつことを統計的に実証しました。中でもRelevanceは東京での調査結果で0.85という高い相関係数を示しました。

 ですからブランド構築は遠い未来のための投資ではなく、皆様の今目の前にある課題である「いかにしてお客様の購入意向を高め、結果として買っていただくか」を直接サポートする、極めて有効なマーケティングの手段であるわけです。安心してブランド作りのために予算をつけてください。そしてRelevanceをはじめとする購入意向に直結する重要イメージを高めていってください。詳細なブランド構築の方法論や実戦的な施策についてはこの先じっくりとお話ししていきます。

 ブランドの効用「入門編」としては、以上のように「ブランドは売りにつながる」という理解でいいと思います。ただし、ここ数年ブランドの役割は急激に拡大しており、もはや単なるマーケティングの関数ではなくその企業や製品が世の中に存在することの正統性(Legitimacy)を象徴する役割まで担うようになっています。このあたりも皆様のビジネスの成長戦略にとって極めて重要ですので、今後テーマとしてとり上げていきます。

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