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新 誠一=電気通信大学教授
2011/12/06 00:00
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 今年も既に12月。大変な年も過ぎようとしている。2011年は、私の人生で忘れられない年となった。普段はしない年末考。今年は特別。振り返ってみよう。日本を元気にしたいところから今年は初夢でコラムを始めた。これについては、Good Factory賞という形で実際の行動に結びついた。昨年起きた事件の一つであるプリウス問題については、制御系セイフティという形の標準化をOMGで始めた。アメリカで起きた問題は、アメリカも巻き込んで標準化していこうとの算段である。

 もう一つ重要な制御系セキュリティについては、経済産業省でタスクフォースを立ち上げて頂いた。このタスクフォース関連のセンターを被災地に設置する準備も進めている。その意味で、東日本大震災対応の一つでもある。

 このような活動は、もちろん多数の方の協力があってのことである。逆である。多数の方の活動が先にあり、私が協力をさせていただいているということが実際である。そのような協力を通して感じることは、日本は捨てたものではないということと、困難があっても前向きに進む勇気である。

 今年は日本だけでなく、欧州も米国も、そしてアジアにも厳しい年である。災害、経済危機、騒乱が重なり、先行きは暗くならざるをえない。しかし、そのような厳しい環境下でこそ、日本のものづくりの底力が出てきている。地震に洪水でサプライチェーンが断たれた年であるが、在庫ゼロの手を緩めるつもりは見受けられない。このような悪環境にこそ、現場の知、現場の力が反映されるという確信を持って進めていると感じている。頼もしい限りである。

 危機に目をつぶってはいけない。しかし、危機に自分を見失ってはいけない。自分の力、周りの力、日本の力、世界の力.そんな力を信じて前に進もう。疲れたら休もう。前に進む力が湧いてきたら、また進めば良い。

 苦難は成長の糧と言われている。その通りだが、今年は一つでも重い苦難がてんこ盛りであった。できれば、このまま平穏に年が過ぎることを祈る。もっとも、非定常が定常化したのが2011年。試練は続くだろう。粛々と乗り越えていこう。それ以上に、前に進み続けるのだろう。ともかく、先兵たる技術者の皆様方に明るい年が来ることを祈る。一人ひとりに幸せが降りてくることを祈ります。

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