エネルギー
 

「MITの呪縛」は解けたか――磁界共鳴方式のワイヤレス給電技術に対する三つの疑問

野澤 哲生=日経エレクトロニクス
2011/11/25 10:02
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2007年2月、MIT Assistant Professor(当時)のMarin Soljacic氏の研究室の様子
2007年2月、MIT Assistant Professor(当時)のMarin Soljacic氏の研究室の様子
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 日経エレクトロニクスの11月28日号の特集で、「ワイヤレス給電、制するのは誰か」といった記事を執筆しました。最近、ワイヤレス給電の記事が妙に多いと思われるかもしれませんが、技術開発競争や実用化に向けた取り組み状況が、しばしば記者の予想を超えて急速に変化していることの表れです。ちなみに弊誌では、「NEアカデミー」という技術解説のコラムでも、「とことん基礎から理解する“磁界共鳴”型ワイヤレス給電」という連載(全5回で現在、第2回まで掲載)が進行中です。

 この磁界共鳴方式のワイヤレス給電技術を最初に提唱したのは米Massachusetts Institute of Technology(MIT)の研究者であるMarin Soljacic氏でした。同氏を最初に取材したのは2007年2月。論文などを読んだだけでは「電力を数mか、それ以上もワイヤレスで伝送できる」という奇天烈に思える主張を信じることができません。それで、「電話かメールでのやりとりでいいんじゃない」というSoljacic氏を押し切って、当時滞在していた米国西海岸から東海岸はボストンにあるMITまで押しかけ、同氏に2時間あまりの間、いろいろな質問をぶつけました。それでようやく「これは本物だ」と納得するに至りました。

 その取材結果は、2007年3月26日号の特集記事「ついに電源もワイヤレス」にまとめてあります。ただし記事構成上、技術的詳細に言及している余裕がなく、残念ながら伝え切れなかった部分が結構ありました。

 ところがそれからしばらくして、MITの技術についていくつかの誤解や疑問、あるいは批判が国内の技術者の間に渦巻いているのを知りました。原因はよく分かりませんが、その多くが結果的には、取材はしたが記事に書かなかったことと関係していたようで、ちょっと残念な、あるいは申し訳ない気持ちです。取材で聞いた内容は記事という形でしか公表できないということもあり、いつか記事にしようと思っていてずるずると5年近くが過ぎてしまいました。

 今回、久しぶりのワイヤレス給電特集を書くことになり、積み残した取材内容を紹介する絶好のチャンスがやってきました。ところがまたしても記事構成上、新しく取材した内容だけで誌面が尽きてしまい、一部を除くと再び積み残しに。今回のEditor's Noteではそのいくつかを今度こそと取り上げ、Soljacic氏の当時の回答をまとめてみたいと思います。

疑問1:周波数は10MHzでないといけないか

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