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中国市場の「ブランドの戦い」に「日本の常識」で勝てるのか?

岡崎 茂生=北京電通
2011/11/25 00:00
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「もう間に合わないかもしれない」

 そんな思いで今原稿を書いています。私は北京在住5年8カ月、ブランドコンサルティングを専門として日々刻々成長を続ける中国ビジネスの荒波の中で生きています。このコラムを読んでくださる皆様に、「グローバル市場に進出し、成功を収め、定着するための現場感覚100%の実戦的方法論」をお届けしたいと思っています。

 それにしても、毎日相手にしている中国企業やアメリカ企業、韓国企業などの動きを見るにつけ、日本企業(規模の大小を問わず)のグローバル市場進出の遅さに「もっとスピードを、もっと決断を」と叫ばずにおれません。

企業、事業、技術、製品をブランド化すること

 このコラムでは、ブランド構築を通して中国をはじめとするグローバル市場を攻めるための方法を考えていきます。皆様も企業や製品の成功にブランドが不可欠なことはご承知だと思います。B2B(対消費者ビジネス)でもB2C(対企業ビジネス)でも、著名で良いイメージを持つ企業の製品はより高い価格でより多くのお客様に買ってもらえます。しかし、漠然と知識として知っているのと、ブランド構築のメカニズムを理解しそれを事業の発展に戦略的に活かすこととはまるで次元の違う話です。そして、私が目の前にしている中国企業や韓国企業の方が、日本企業に比べてブランド活用の意識とスキルがはるかに高いのです。

 11月13日の日曜日、私は中国広東省の工業基地である東莞市の「都市麗人実業有限公司」の勢ぞろいしたトップ~中堅幹部約30人を相手に3時間のブランドセミナーを実施しました。女性向けアンダーウェアの最大手の製造・流通会社である「都市麗人」は既に中国国内で成功を収めていますが、一層の飛躍(当然海外進出も視野に入れています)のために企業ブランドの強化と管理、サブブランドを含めたブランドポートフォリオの構築と管理が、最大の武器となることをよく理解しています。参加者は私が用意した300枚のスライドと英語による説明(念のため中国語の通訳を入れました)をむさぼるように見聞きしています。そんな熱心なオーディエンスと幹部たちのブランド重視の姿勢を見るにつけ「この会社はもっともっと伸びる」と思わざるを得ませんでした。

 翌14日は同じく東莞市をベースとした家具の製造・流通最大手の「皇朝(ロイヤル)家具」に呼ばれて2時間のセミナーを行ないました。この席にはオーナー兼会長が香港からわざわざ駆けつけました。約20人の経営幹部は、これまた熱心にブランド戦略論とグローバル事例に耳を傾けます。中国語の通訳は入れましたが、半数以上の人が英語でそのまま理解しているのが見て取れました。

中国のビジネスマンは知っている

 中国人のブランドに対する熱心な姿勢には理由があります。かつての日本と同様に、彼らはグローバル企業の生産基地としてOEMから出発しており、その間製造のノウハウは蓄積しながらも事業形態はグローバル企業からの指定仕様に基いた完成品や部品の供給に留まっており、低い納入価格と厳しい競合にさらされてきました。そんな彼らが目を向けたのがその製造技術を使って広大な中国国内市場向けに商品を作り名前を付けて流通に乗せることでした。中国市場は日本よりもはるかにグローバル化した市場です。そこでは伝統的な中国ブランドに加えて欧米、韓国、日本などの海外ブランドがしのぎを削っています。

 スポーツグッズ市場でナイキやアディダスに怯むことなく立ち向かうリーニンやアンターに代表されるように、強力な中国ブランドの存在がこの市場をダイナミックで競争的なものにしています。そこで育つ中国企業は、幅広く受け入れられ、親しみを持たれ、尊敬されるブランドを作ることこそ、事業発展のカギであることをよく承知しているのです。そしてその視線の先にはレノボやハイアールなどの先駆者が切り拓いたグローバルブランドへの道が開けています。中国のビジネスマンはブランドで成長することを信じて仕事をしているのです。

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