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HOMEスキルアップマネジメント技術経営戦略考日本の人口減少とエネルギー需給

技術経営戦略考

日本の人口減少とエネルギー需給

  • 西村 吉雄=早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズム・コース
  • 2011/11/21 08:00
  • 6/6ページ

ここ数年のピーク電力需要は天然ガス発電で乗り切る

  中長期的には日本のエネルギー需給に心配はない,と述べてきた。しかし,ここ数年のピーク電力需要は別である。これを節電だけで乗り切るのは,地域・季節によっては難しいだろう。これを解決するには,最新の天然ガス発電所建設が現実的である。東京都の試みは理にかなっている。

  天然ガスにかぎらず,化石燃料を使う発電は,近年は悪者扱いされてきた。理由は二つ。一つは二酸化炭素排出である。もう一つは化石燃料枯渇の心配だ。

  二酸化炭素排出を理由に化石燃料を排除する必然性はない。これはすでに述べた。二つ目の化石燃料の枯渇,これも現実にはないと言っていい。

  あと40~50年もすると石油は枯渇する。40~50年前から,いつもこう言われてきた。この点,高速増殖炉の実現時期と似ている。50年後には高速増殖炉が主役になる。50年前からずっと,こう言われている。どちらも,いつまでたっても,現実には起こらない。

  化石燃料の埋蔵量は採掘コストの関数だ。「お金さえかければ以前には考えられなかった所で石油が採れる」(田中伸男,「ピークオイル」,『日本経済新聞』夕刊,2009年1月30日付)。石油の値段が上がれば,お金をかけて採掘してももとがとれるだろう。だから採掘の難しいところにも採りに行く。一方石油の値段が上がれば,他のエネルギー源,たとえば太陽電池の価格競争力が増す。太陽電池の普及が促進される。そうなると石油の需要が減る。枯渇時期は先に延びる。こうして,いつまでたっても枯渇しない。

  石油が石炭に代わって広く使われるようになった理由は,石炭が枯渇したからではない。「石器時代は石がなくなったから終わったのではない」(田中伸男,「石器時代はなぜ終わったのか」,『日本経済新聞』夕刊,2009年2月6日付)。

  新しい化石燃料も次々に見つかっている。オイルサンド,メタルハイドレード,オイルシェール,などなど。米国内では岩盤層にある天然ガスを取り出す新技術が広がり,「シェールガス革命」と呼ばれるほどに,天然ガス価格が下がっている。米国は天然ガス輸出を原則として認めていない。エネルギー安全保障の観点からである。しかし対日輸出解禁の可能性も高いという(桝淵昭伸,「米国産LNGが上陸する日 電力コスト大幅低下も」,『日本経済新聞』電子版,2011年9月30日付)。

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