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HOMEスキルアップマネジメント技術経営戦略考日本の人口減少とエネルギー需給

技術経営戦略考

日本の人口減少とエネルギー需給

  • 西村 吉雄=早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズム・コース
  • 2011/11/21 08:00
  • 3/6ページ

エネルギー需給に影響が出るほどには外国人は増えない

  「在日外国人が増えるからエネルギー需要は減らない。そうなるように外国人を増やすべきだ」。そう主張する方が少なくない。エネルギー需要が減らないほどに外国人を増やすとすれば,ということは人口があまり減らないほどに外国人を増やすためには,2030年までに1000万人,2050年までに3000万人,2100年には8000万人もの外国人を日本に導入しなければならない。2100年には外国人のほうが圧倒的に多い国になる。

  2010年末に日本に在住している外国人登録者数は約210万人である。2年連続で減少している。ただし10年前に比べれば,約45万人増加した(法務省入国管理局,「平成22年末における外国人登録者数統計について」,2011年6月3日)。10年間に50万人といった増加が今後も続いたとしても,2030年までの外国人増は約100万人に過ぎない。この程度の外国人増では,エネルギー需給への影響は,たかが知れている。ここ2年の減少傾向を考えれば,これすら現実的ではない。

  「少子高齢化により,日本では若年労働力が不足する。外国人労働者を増やさなければ乗り切れない」。この意見は根強い。たしかに,たとえば介護現場には,恒常的な労働力不足がある。しかしこれは,むしろ待遇の問題だろう。労働力の絶対数が足りないことが原因ではない。

  現実には,日本の若年層の失業率は高い。2010年平均で,15~24歳男性の失業率は10.4%,男性全年齢平均の失業率は5.4%である(総務省統計局,『平成22年 労働力調査年報』,2011年)。大学生たちも就職難で,学業そっちのけで就職活動に励んでいる。若年労働力不足はどこの国のはなしか。こういう状況のなか,外国人を大量に入れるという政策に,日本人の多くが合意するだろうか。

  少なくとも,エネルギー需給に影響が出るほどの外国人増加はない、そう考えて間違いはない。

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