エネルギー
 

第6回・その管理基準に待った!「以上と以下にはチャンスあり」

前田 直昭=積水化学工業
2011/10/26 00:00
印刷用ページ

 夏期節電対応に追われた夏が終わった。生産量を減らすとか、我慢するといった“その場しのぎ的な省エネ”で苦労された現場も多かったのではないだろうか。これから今一度、モノづくりの中で本質的な条件を見直していくインプロセス型の省エネ(=正エネ)を目指して再出発しよう。

 今回は、これから冬期に向けて期待できる省エネ(正エネ)の視点を紹介したい。事例は冷却水だ。冷却水は、ものづくりを支えるユーティリティとして、十分かつ安定供給が使命である。また、エネルギー消費量で言えば大きな割合ではないこともあるせいか、ポンプの高効率化、台数・負荷制御、インバーター化などのテーマを掲げる現場はよくあるが、実際に消費個所での削減事例は少ないようだ。

 ここでは冷却水を事例に、隠れたムダを発見し、改善していくコツを紹介したいと思う。

冬場に向けてチャンスあり「冷却水」

 冷却水は、製造条件を支える役割や、機器の保護などに使われていることが多い。製品製造・加工条件に直接関わる場合は、機能条件・管理値が厳密に管理されていることがほとんどである。一方で「保護」や「冷却」として使われる場合は、管理基準や日常点検表には「基準:●●度以下」などと表現されていたり、圧力や流量の値を「●●以上」などと管理されていることがないだろうか。

 このように「以上」や「以下」といったユーティリティの管理項目には、ムダが隠れていることが多い。もし読者の現場でも思い当たる節があれば、これから冬場を迎える現場にとってチャンスとなるテーマである。これを事例をみながら考えていこう。

事例「油圧装置油冷却・金型冷却」

 ある成形機周りの冷却と点検表のイメージを図1に示す。

図1●成形機と冷却イメージ
[画像のクリックで拡大表示]

 この事例では、以下のような「気づき」があった。

(1)油温度は実際に管理温度より低温で管理されており、冷却過剰によるロス※があった
(2)成形機の稼働に関係なく常時通水されており、冷却水送水動力及びチラー負荷ロスがあった
(3)金型各部の冷却も、管理が「●●以上」となっており、過剰な供給ロスがあった
(4)供給ポンプもインバータ化されていないため、たとえ流量を減らしても省エネ効果が刈り取れない

いずれも、管理が「以上」「未満」といった状態になっていることで、条件が変わっているときにロスが発生している点で共通している。

ここから先は日経テクノロジーオンライン会員の方のみ、お読みいただけます。
・会員登録済みの方は、左下の「ログイン」ボタンをクリックしてログイン完了後にご参照ください。
・会員登録がお済みでない方は、右下の会員登録ボタンをクリックして、会員登録を完了させてからご参照ください。会員登録は無料です。

マイページ

マイページのご利用には日経テクノロジーオンラインの会員登録が必要です。

マイページでは記事のクリッピング(ブックマーク)、登録したキーワードを含む新着記事の表示(Myキーワード)、登録した連載の新着記事表示(連載ウォッチ)が利用できます。

協力メディア&
関連サイト

  • 日経エレクトロニクス
  • 日経ものづくり
  • 日経Automotive
  • 日経デジタルヘルス
  • メガソーラービジネス
  • 明日をつむぐテクノロジー
  • 新・公民連携最前線
  • 技術者塾

Follow Us

  • Facebook
  • Twitter
  • RSS

お薦めトピック

日経テクノロジーオンラインSpecial

記事ランキング