来たるアナログ停波ヘ向け、アジア・太平洋で薄型テレビへの移行が加速
韓国、台湾、オーストラリア、ニュージーランドでアナログ停波を予定
われわれが最近発刊した「季刊 TV最新機能&技術調査レポート」(詳細情報はこちらから)によると、2012年には韓国と台湾、2013年にはオーストラリアとニュージーランドでアナログ停波が予定されている。アジア・太平洋地域においても、いよいよデジタル放送への移行が開始される予定である。
一方、インド、ASEAN諸国では2015年までにアナログ停波を予定していたが、このままいくと2015年以降にスケジュールが遅れる見通しである(図1)。いずれにしても、今後アジア諸国でのアナログ停波、デジタル切り替えが徐々に開始され、薄型テレビ需要のさらなる拡大を後押しすることは間違いない。
今後は東南アジア、インドでの薄型テレビ需要の拡大が続く
われわれは、最近発刊した「季刊 世界TV出荷調査レポート」(詳細情報はこちらから)で、アジアでのテレビ技術別需要における薄型テレビは、2015年へ向けて年平均成長率(CAGR)22%と高成長を予測している。アジア全体での薄型テレビ需要は2011年の2281万台から2015年には5108万台へと拡大、そのうち韓国(実質韓国ブランド2社で市場を分け合う)とインドを除いたアジア他(タイ・フィリィピン・インドネシア・ベトナムなどの東南アジア、オセアニアなど)が2015年には52%、インドが41%のシェアを占めるとみている。アジアでの薄型テレビ需要は2011年に東南アジア諸国(CAGR 17%)で普及開始、2012〜2013年にはインド(CAGR 39%)でも拡大と、両地域では2012年に対前年比成長率40%超の積極的な予測としている(図2)。
背景としては、10月14日の当コラム・筆者執筆記事の通り、2012年はセット価格のさらなる下落が起こると想定しているからである。直近でのキャッシュ・コストを割り込むようなパネル価格の大幅な下落、およびパネル・メーカーで開発が始まっている低価格CCFLバックライト搭載パネル(輝度など仕様を落とした分厚いパネル)などの投入もあることから、セット価格のさらなる下落が予測できる。東南アジア諸国やインドの消費者にあった適正価格、つまりマジック・プライスのポイントにいつどの価格レベルで到達するかを予測するのは難しいが、その時期が迫ってきているといえよう。
また、製品の投入にあたっては、東南アジアやインドでの個別の要求や特殊性に十分留意する必要がある。例えば、インドでは現在26型以下が液晶テレビ需要の半分以上のシェアを占めていること、アジアでは国・地域によって、家の大きさの問題、設置の仕方(国によっては壁掛けでの設置も多い)、弱電界、電力事情などから、テレビの使用環境やニーズは様々で異なっている。
足元のテレビおよびそれにかかわるサプライ・チェーンは、2010年後半から継続する液晶パネルの大幅過剰と価格の下落、テレビの最終需要が弱いことから、大いに疲弊している。2012年へ向けての液晶テレビ需要回復への大きな期待は、中国とアジア(特に東南アジアとインド)にかかっているといえよう。今後アジアでの薄型テレビ需要の本格普及のターニング・ポイント、それにかかわる価格、仕様、ブランドなどの動向について、期待を込めて注視しながら調査を進めていくこととしたい。
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