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コラム

大型液晶パネル価格は下落継続、年末商戦の期待度反映か

2011/10/12 11:00
氷室 英利=DisplaySearch
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 9月の大型液晶パネル価格は、8月に引き続き、テレビ用パネル価格を中心に下げ幅を縮小しつつも、おおむね続落で決着したもようだ。この結果、年末商戦に向けたパネル調達のピークを過ぎ、季節変動上、需給バイアスは弱含み(=需要が縮小)となる。このため、2011年中に価格が反転上昇する可能性は非常に小さくなった。

 用途別の価格変動幅は、ノート・パソコン用パネル、およびモニタ用パネルでは前月比ステイ〜2%の下落となった(図1)。また、テレビ用パネルではおおむね同2〜4%下落した(図2)(大型液晶パネル価格の詳細レポートはこちら)。

図1 IT用液晶パネル価格推移(10月以降は予測)
出典: ディスプレイサーチ,「月刊 大型LCD&PDP価格調査レポート」
[画像のクリックで拡大表示]

図2 32型テレビ用液晶パネル価格推移(10月以降は予測)
出典: ディスプレイサーチ,「月刊 大型LCD&PDP価格調査レポート」
[画像のクリックで拡大表示]

 10月上旬の交渉状況では、パネル・メーカーがライン稼働率を調整しながら価格維持を目指しているのに対し、セット・ブランド会社は、足元の需要の弱さに加え、在庫の適正化を優先した出荷計画により、年末に向けたパネルの調達量を必要最低限にとどめているケースが多い。各パネル・メーカーともテレビ用などの大型ラインの稼働率をさらに引き下げる一方(一部は50%以下)、相変わらず台湾系パネル・メーカーを中心にスポット・ディール(=数量限定の特別価格)の活用で過剰な在庫を一掃しようとする動きが顕著になっている。

 北米ではテレビ・セットの低価格化に伴い、40型以上のサイズで在庫が減少するなど売れ行きが改善する兆しが見えるが、需要が盛り上がる状況には程遠い。モニタ、ノート・パソコンもバック・トゥ・スクール需要の盛り上がらなかった分、在庫が過剰になっており、セット・ブランド会社にとってはその適正化が先決と考えているようだ。

 欧州の需要は、足元の政情不安、景気の先行き不透明感などから、最終市場で在庫を積極的に減らし、リスクを回避する動きが顕著だ。これに伴い、セット・ブランドも出荷計画を見直さざるを得ず、結果的に液晶パネルの調達計画の下方修正につながっている。

 中国では、各アプリケーションとも売れ行きは概ね当初計画通りとなっている。ただ、年末に向けては慎重な見方をしているセット・ブランド会社が多いもようだ。

 このように、需要側は、先進国地域が振るわない一方、新興国地域がまずまず。トータルでは、当初の出荷計画を下回る状況となっている。

 これらの状況を鑑みて、今後のパネル価格の推移予測は、前月と同じシナリオを取りたい。10月以降、42型以上のテレビ用パネルなどを除き、下落幅はさらに縮小、ほぼ前月比横ばいとなる。季節変動によりパネル需要が減少する一方、パネル・メーカーは稼働率の調整を継続、価格の変動がほとんどない状況が2012年第1四半期まで続くだろう。次のセット需要期に向けたパネル需要増加が期待できる2012年第2四半期からは、パネル価格も上昇を開始する見込みだ。

 ただし、現状のような需給の緩んだ状態からまとまった短納期需要が発生した場合は、サプライ・チェーン上、部品在庫がある状態とはいえ、一時的に需給がタイトな状態になりやすい。それらをきっかけに価格の上昇を引き起こす可能性に留意しておきたい。

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