「私は、満身の怒りを表明します!」

 「私が現在やっている除染活動は、すべて法律違反です!」

 「このような状態を放置しているのは、国会の完全なる怠慢であります!」

 衆議院厚生労働委員会での東京大学アイソトープ総合センター長の児玉龍彦先生の証言はYouTubeで多くの人に視聴され、大きな話題になっています。福島原発で放出された放射能の量は広島に投下された原発の20個分にあたるという衝撃的な数字に、視聴している人々は驚くとともに、児玉先生の渾身の証言は多くの人の共感を呼びました。

  • 放射線医療の第一人者としての科学技術に対する深い理解
  • 専門知識を基に、法律違反を覚悟の上で南相馬で除染に取り組む行動力とリーダーシップ
  • 実践の経験に基づいた、現実的で有効な国の対策への提案
  • 15分という限られた時間で意思を伝える表現力

 科学技術への洞察力・ビジョン・誠実な人柄が結集したMOTのお手本のような証言でした。小学校、公園、プール、道路などの土や落ち葉から高濃度のセシウムが連日のように見つかっています。首都圏では柏市や葛飾区などがホットスポットとされていますが、ついに東京の西にある川崎でも高濃度のセシウムが見つかりました。また、食料への放射能汚染が心配されています。

 放射能汚染に関して、報道される発見者の多くが市民団体や小さなお子さんを持つお母さんなど、一般の方ばかりのように感じます。しかし、学校や公園、プール、道路の維持管理は公務員の仕事です。関東地方の一都六県だけでも地方公務員は、警察や消防も含めて45万人います。この大きなリソースが、放射能汚染という危機に際して、有効に動けていないのは本当にもったいない。

 例えば、地域の安全を守ることが警察や消防、保健所の使命です。安全を広義に解釈すれば放射能も地域住民にとって生活の脅威です。地域の見回りの際に、放射能も測定して、公園のすべり台の下や、道路わきや溝などのホットスポットを探せないのでしょうか。公務員がすべての場所の放射能を測定しなくても、既に自主的に測定している市民団体などの人達と協力しても良いでしょう。