宇宙をヨットのように進める、その原理とは?

 写真は、2010年5月21日にH-IIAロケット17号機によって打ち上げられた、小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」だ*1。ヨットの帆のように大きく広げた膜で、太陽光圧の力を受けて推進力を得る。アイデアは約100年前からあったものだが、いまだ実現されていない。さて、海原を航海するヨットは水から受ける抵抗を利用して風上へと切り上がれるが、真空中ではそうはいかない。実は宇宙ヨットでも、太陽から遠ざかる方向の力を受けながら太陽へ近づくことができる。その原理とは、一体…

*1 H-IIAロケット17号機の主目的は、金星探査機「あかつき(PLANET-C)」の打ち上げ。IKAROSは17号機の打ち上げ能力の余裕を活用して軌道投入する機会を提供された。当初の打ち上げ予定は2010年5月18日だったが、天候不良のために同月21日に延期された。ソーラセイルが展開されるのは、数週間後の予定。