エレクトロニクス・機械・クルマなどに携わる技術者が興味を持つと思われる書籍を集め、記者や外部書評者が書評します。仕事に直結する書籍ばかりではなく、技術者個人としての知的好奇心を書き立てるような書籍、時事問題に関係する書籍なども採り上げていく予定です。また、日経テクノロジーオンライン書店の書籍も紹介していきます。
書籍レビュー
エレクトロニクス・機械・クルマなどに携わる技術者が興味を持つと思われる書籍を集め、記者や外部書評者が書評します。仕事に直結する書籍ばかりではなく、技術者個人としての知的好奇心を書き立てるような書籍、時事問題に関係する書籍なども採り上げていく予定です。また、日経テクノロジーオンライン書店の書籍も紹介していきます。
目次
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生産/開発アウトソーシングの手引書
EMS/ODM徹底ガイド --国内外有力ベンダーの活用法を詳説、日経ものづくり 編集、29,400円
EMS(電子機器の受託生産サービス)企業やODM(相手先ブランドによる設計・生産)企業が著しい勢いで台頭しています。日本メーカーによるEMS/ODM企業の活用は、これまでパソコンや民生機器が中心でしたが、最近になってその用途が車載機器や産業機器などに広がりつつあります。例えば、車載機器では、カーナビ…
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実践に役立つ知識のみを凝縮
基礎から学ぶ機械設計 キカイをつくって動かす実践的ものづくり学の設計編 (サイエンス・アイ新書) 、門田 和雄 著、1,155円
3Dプリンタの普及などにより、個人がものづくりを実践できる時代になった。東京工業大学附属科学技術高等学校で教諭を務める筆者が、ものづくりの『実践』に役立つ基礎知識をまとめたのが本書だ。個人の「メイカーズ」だけはなく、独自ブランドを立ち上げたい中小企業や機械設計を学びたいエレクトロニクス/ソフトウエア…
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合意が生む正しいスケジュール
仕事は半分の時間で終わる! ―――あなたの常識がスケジュールを遅らせる、津曲 公二、清水 茂 著、1,575円
組織としてのプロジェクトマネジメントの考え方を個人の仕事に応用した「正しい仕事の進め方」を記した1冊。人間の行動特性から「仕事は遅れるもの」と想定した上で、上司/外部依頼主との行き違いを減らすための段取り方法や、作業の遅れを考慮したスケジュールの立て方などを解説している。
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成功したマーケットイン戦略
開発チームは、なぜ最強ブランド「瞬足」を生み出せたのか?―苦境からの大逆転! 子どもの2人に1人が履く奇跡のシューズ誕生物語、アキレス株式会社「瞬足」開発チーム 著、1,365円
2人に1人が履いているといわれるアキレスの大ヒット子ども靴「瞬足」。どちらかというと保守的だった同社が、どうやって斬新なアイデアを生み出し、ロングセラーにつなげたのかという誕生秘話を、開発者らが自ら語った1冊である。
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トヨタとVW、同族ながら異なる経営
トヨタ対VW(フォルクスワーゲン) 2020年の覇者をめざす最強企業、中西孝樹著、1500円(税別)、日本経済新聞出版社
日本、米国、ドイツの自動車会社トップ3を比較し、自動車産業の現状と構造的問題を明らかにした『激突―トヨタ、GM、VWの熾烈な闘い』という本がある。日本語版が出版されたのは1994年なのだが、この本のなかで著者のマリアン・ケラー氏は、世界で最もすぐれた会社は「一番最近に大きな問題を克服した会社」とし…
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3Dプリンタの現状認識と将来予測の一助に
3Dプリンタ総覧2014 、日経ものづくり 編集、29,400円
紙に対する印刷方法がさまざまあるように、「3 Dプリンタ」の造形方法も1つではありません。これまで、本誌の企画記事でユーザー事例を取材したり、3Dプリンタの新製品を取材したりするたびに、過去の資料を調べ直して「えっと、この3Dプリンタはこんな特徴だったよな」と思い起こしていました。そのタイムラグを縮…
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品質の定義を見直す
よい製品とは何か、ジェイムズ・L・アダムズ 著、 石原 薫 翻訳、1,890円
「よい製品」の条件として「品質がよい」ことは不可欠だろう。では、「品質がよい」とはどういうことか。かつて複数の企業や研究機関に技術者として勤務し、現在は米StanfordUniversityで教鞭を執る筆者が、同大学での講義を通じて考察した内容をまとめたのが本書だ。
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日本の工場の優れた知恵を紹介
工場の事典、日経ものづくり 編集、99,750円
「よし、工場の書籍をつくろう」。編集会議の場で、この企画がスタートしました。読者ニーズが極めて高い上に、他に類のない本誌だけの情報を提供できるという判断からです。しかし、いざ編集作業を始めてみると、膨大な量の記事を前に編集担当者としては呆然となりました。それもそのはず。最終的に1016ページもの記事…
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「30分遅れます」を乗数効果で分析すると
「30分遅れます」は何分待つの?経済学、佐々木一寿著、893円、日本経済新聞出版社
私たち技術者のほとんどは「実業」の世界に生きている。研究であれ、設計であれ、製造であれ、技術者が頑張った成果は新しい技術、新しい製品、新しいサービスとなって世の中に提供されていく。
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日本の製造業は復活できる
稼ぐ力を取り戻せ!―日本のモノづくり復活の処方箋 、冨山 和彦 著、1,680円
多くの企業再生に取り組んできた著者らが、日本の製造業が抱える問題と、そこからの脱却の道筋を説いた一冊。過度な擦り合わせ技術や決定力に欠けるボトムアップ型の経営、変化を嫌う硬直的な組織など、製造業が陥っている5つの罠を挙げ、その上で「見える化」「標準化」「つなぐ化」の3つのキーワードから日本製造業復活…
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次代の経営幹部や海外出向者向けの経営入門書
ものづくり経営入門 、高橋功吉 著、6,000円
なぜ在庫は少ないほどいいのか、なぜ回転率を上げるのか、なぜ5Sが資金や利益に結びつくのか─。知っているようで知らない、これら経営の基本を解説したのが本書です。本誌2012年5月号~10月号に連載した「海外工場を切り盛りする技術者のための経営入門」に大幅に加筆修正して、次代の経営幹部や海外出向者に向け…
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我が家で3Dプリンタ活用
自宅ではじめるモノづくり超入門 ~ 3DプリンタとAutodesk 123D Designによる、新しい自宅製造業のはじめ方 ~、水野 操 著、2,940円
DIY(Do It Yourself)や日曜大工といった言葉が市民権を得ているように、個人のものづくりといえば、これまでは主に金づちやのこぎりを手にしてきた。ただし、近年は3D-CADや3Dプリンタの低価格化が進んでおり、従来とは違ったものづくりができる。仕事を離れ、個人的に3Dプリンタを使ってみた…
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「モンティ・ホール・パラドックス」を知っていますか
物理パラドックスを解く、ジム・アル=カリーリ著・松浦俊輔訳、2,415円、ソフトバンククリエイティブ
パラドックスには、いろいろな種類がある。本書で扱うあつかうのは「本物のパラドックス」ではなく、物理学のパラドックスだ。物理パラドックスの内容に入る前に、パラドックスについて簡単に解説しておこう。
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3Dモデル共有し擦り合わせ力高める事例を解説
グローバルに伸びる製造業 3D活用でプロセス改革―開発設計マネジメントの理想と13の成功事例、岡部仁志、新井本昌宏、渡辺智宏、鳥谷浩志 著、2,940円
グローバル化に伴い各市場のニーズに対応しなければならず、世界各地の拠点での作業も増える。このように複雑化する開発設計プロセスをシンプル化してメリハリを利かせ、良い製品を生み出すための改革について解説する。
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造りたい物を造っているか
マイクロモノづくりはじめよう ~「やりたい! 」をビジネスにする産業論~、三木 康司 、宇都宮 茂 著、2,100円
本書では、主に中小企業や個人に「脱・下請け」を提言するとともに、自分が本当に造りたい物を造ることの重要性を説いている。従来は難しかったが、近年はインターネットの普及により資金調達や販売の手段が増え、3Dプリンタに代表される生産手段の多様化も進んでいる。そうした「マイクロモノづくり」が格段にやりやすく…
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日本の強さはここにある
「人工物」複雑化の時代 -- 設計立国日本の産業競争力 (東京大学ものづくり経営研究シリーズ)、3,990円
「人工物」と「自然物」の本質的な違いは、「事前に設計されているかどうか」にあると本書には記されている。つまり、タイトルにある「『人工物』の複雑化」とは「『設計』の複雑化」を意味し、この状況が進む中で日本のものづくりが参考にすべきアプローチを解説する。
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本当は深みある学問「コンピュータ科学」
世界でもっとも強力な9のアルゴリズム、ジョン・マコーミック著/長尾高弘訳、2,100円、日経BP社
理系離れが叫ばれるようになって久しい。この現象が日本だけのものかどうか知らないが、イギリスでは理系でも「コンピュータ科学離れ」が進んでいるらしい。本書の「はじめに」に一文を寄せているエジンバラ大学教授のクリス・ビショップ氏は、「この10年間に大学でコンピュータ科学を学ぶ学生は50%減っている」こと…
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分解すると見える物事の本質
分解デザイン工学: バラバラにすることで価値を生む、山際 康之 著、2,940円
「お父さんの時計の中身はどうなっているのだろう」─。そんな興味心から、父親に内緒で時計を分解した経験はないだろうか。本書の著者も、そんな「分解キッズ」だった1人。大人になってソニーで組立性・分解性設計の体系化に取り組んだ後、この分野で先導的な役割を担う大学教授になった。そんな著者が身近な物の分解を徹…
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4つの成功と3つの失敗を分析
新規事業開発のマネジメント、伊藤 嘉浩 著、 3,780円
景気回復の期待感のある「アベノミクス」により、長らく日本の製造業を覆っていた円高が氷解しつつある。輸出割合の多い日本メーカーにとっては干天の慈雨のはずだが、リストラから逃れられない分野もある。新たな事業の創造が急務だ。
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モノを数えてはいけない?
生産管理のべからず89 (オシゴトべからずシリーズ)、日本能率協会コンサルティング編 著、2,100円