7月に入って最初の週末となった2、3の両日、上海は気温がうなぎ登りに上昇。両日とも38℃を超える酷暑となった。

 明けて7月第2週、当社のウェブサイト閲覧には会員登録が必要2週間無料で読める試用会員も用意)でも、上海の気温並みにアクセスが急上昇した記事があった。「【PC】ブラックベリーのRIM、タブレットPCから早くも逃げ腰? 10インチの発売取りやめか」がそれ。スマートフォン「BlackBerry」で知られるカナダResearch In Motion社(RIM社)が、予定していたタブレットPC「PlayBook」10インチモデルの発売を取りやめ、スマートフォン「superphone」に重点をシフトするという情報が市場に流れたことを伝えたものだ。

 台湾の市場関係者によると、PlayBookの7インチモデル出荷量が2011年3~5月で約50万台と予想を下回ったことや、営業収益の減少によるリストラなどが影響したという。

 これにより台湾市場では、PlayBookのアッセンブリを独占受注したと目される台湾Quanta Computer社をはじめ、コネクタのFOXLINK社とSIMULA社、フレキシブル基板(FPC)のCareer社、ICHIA社など台湾系のサプライチェーンが、受注キャンセルにより業績に影響が出るのではないかとの観測が流れた。

 こうして、タブレットPCから距離を置こうとするブランドメーカーが早くも出現した一方で、EMS/ODMメーカーの多くは、従来型ノートPCの成長鈍化をタブレットPCの生産で相殺しようとしているようだ。米Apple社の「iPad」を台湾FOXCONN(フォックスコン=鴻海)社が独占受注しているのは広く知られているが、このほかにも米Dell社の「Streak 10 Pro」は台湾Compal Electronics社と台湾Wistron社が、台湾Acer社の「ICONIA TAB A500」はCompal、ソニーが2011年秋に発売予定の「Sony Tablet」はQuanta、米HP社の「TouchPad」は台湾Inventec社がそれぞれ生産を手がけているものと見られている。

 こうした中、トップブランドからの受注獲得が難しい台湾や中国の中堅以下のEMS/ODMメーカーや部品サプライヤーが狙っているのは、「白牌」と呼ばれる「平板電脳」(タブレットPC)だ。「白」の文字が入っているから、「白いタブレットPC? iPad 2のホワイトモデルのこと?」と思われるかもしれないが、そうではない。「白牌」とは、知名度の低いブランド、あるいはノーブランドのこと。ちなみに有名ブランドは「名牌」(Tech-On!の関連コラム参照)という。