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試練に立ち向かうために

革新を生む“あきらめない”才能、篠田傳氏(上)

加藤 幹之=Intellectual Ventures 上級副社長兼日本総代表
2011/06/27 00:00
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 2011年3月11日。日本は巨大地震と津波、そして東京電力の福島第一原子力発電所の事故という未曾有のショックを経験した。1945年8月15日、太平洋戦争の敗戦の中から奇跡と言われる復興を遂げて以来、日本は最大の試練を経験することとなった。

 原子力技術の安全神話の崩壊と共に、科学技術への信頼が失われはしないか。津波の規模の予測が想定外であったという議論や、関係者の人災の側面が強いという議論もあろうが、科学技術への過信や油断がこれだけ大きな被害を招いたという指摘には、反論の余地はない。

 今こそ技術者や研究者たちは、科学技術への信頼を回復するために行動すべきである。技術が人類社会に貢献できる姿を再度示す必要がある。

 今回紹介する技術者は、まさに今の日本に指針を示す人物の一人だ。幾度も先の見えない壁にぶつかり、徹底的に挫折させられながらも、新たな目標を持ち続け、それを地道に実現していく。60歳を超え、大企業の要職を離れた今も、自ら開発した技術を核にしたベンチャー企業を創業し、会長兼社長として切り盛りする技術者である。

功を為し、名を挙げても…

壁にぶつかっても、あきらめない
篠田傳(しのだ・つたえ)氏。篠田プラズマ 代表取締役 会長兼社長
[画像のクリックで拡大表示]

 篠田傳(しのだ・つたえ)氏――。

 PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)の開発者としてあまりにも有名だ。紫綬褒章や内閣総理大臣発明賞など数々の受賞歴があり、開発の軌跡をマスコミでも数多く取り上げられた日本を代表する技術者の一人である。NHKの「プロジェクトX」などで活躍の様子をご覧になった読者も多いだろう。

 「なぜ、今さら篠田氏なのか」と思われる方もいるかもしれない。私は、二つの点で篠田氏に興味を持ち、ぜひ話を聞いてみたいと思っていた。

 まず、既に「功を為し、名を挙げた」技術者であるにもかかわらず、なぜ起業という道を選んだのかということ。篠田氏は2005年に篠田プラズマというベンチャー企業を立ち上げ、プラズマ技術を応用した新開発の超大画ディスプレイを普及させるべく、経営者としてまい進している。

 富士通出身の篠田氏は、私にとって古巣の先輩である。富士通に勤務していた時代に、私は法務・知的財産権の担当者として篠田氏に接する機会を得た。同氏が開発したPDP技術に関する特許を取得し、広く活用するお手伝いをさせていただいた。

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