設計・生産 ものづくり現場の競争力アップに貢献する
 

第13回・待ち望んでいた製品が完成する

津田 真吾=iTiDコンサルティング ディレクター
2011/05/23 00:00
印刷用ページ

 プラットフォームは半完成品です。製品のすべてではありません。今回は、これまであまり語らなかったプラットフォーム以外の部分、つまり、オプションについて「海外で何が売れるのか」「揃えるべきラインナップの数は」という良くある疑問に答えていきたいと思います。

海外では何が売れるのか

 プラットフォーム化によって幅広いラインナップを構築すると、グローバルな展開が有利になります。この話をすると、「グローバルに何が売れるかを教えてほしい」というリクエストを受けることがよくあります。

 中国ではどんな商品が売れるのか? インドでは? に答えるには、その国のことを熟知していないといけません。例えば、インドでは電力事情が不安定なため、テレビにバックアップの蓄電池が搭載されたことがヒットに結びつきました。あるいは、民族衣装である生地の薄いサリーがからまらないような工夫を洗濯機に加えたところ、大きく支持されたようです。つまり、各地の文化を知り、消費者が置かれている環境を把握することで、どのような事柄に消費者は価値を見い出すのかを探ります。

 このような新しい価値は、市場調査というものではあぶり出すことが困難だという特色を持っています。“調査”する対象にない商品を探しているのですから、当たり前です。また消費者を集めて、何が欲しいのかを尋ねても分かりません。インドの消費者にどのようなテレビが欲しいかを尋ねたところで、もっと安い、もっと大きい、などの答えが返ってくるのが関の山です。停電時にテレビが切れるのが当たり前の人たちには、『テレビにバックアップ蓄電池をつける』というアイデアは生まれにくいのです。

 では、何をするのか。まず、消費者や購入者の目線で状況を捉えることが重要になります。「テレビが時々切れる」ということに気づくことです。そして次に、その状況に置かれた消費者にどのような価値が求められるのか、という潜在的な欲求を見つけます。衣食住に関わるような欲求から、名誉といった欲求など、人間が持つ基本的な欲求をベースに価値を探し当てることを行います。これにより「停電時でも安定してテレビから情報を得る」という価値に着眼することになります。

 この潜在的な価値を見つけ出すための手法にはエスノグラフィをはじめとする手法はいくつか存在しますが、共通していることは消費者の立場を観察した上で、消費者に対する洞察を深めることです。そのため、現地に企画担当者を派遣したり、商品企画あるいはオプション部の開発を現地化したりするのも有効です。ここで断っておきたいのは、プラットフォームの開発がしっかりしていないと、現地化は困難の連続になるということです。さまざまな付加価値を加えることができるようなプラットフォームがあればこそ、現地化や商品企画の試行錯誤も可能になります。

揃えるべきラインナップの数は

【技術者塾】(9/16開催)
開発・設計者必修の購買コストダウン術

~コストダウン効果の高い開発購買と購買業務の基本テクニック~


設計と購買に精通した開発購買のプロが、開発・設計技術者に向けてコスト削減活動の重要性と活動への心構え、機能購買、有利購買の考え方・進め方、コスト分析技術、価格を決める交渉術など、開発購買を効果的に進めるために必要な購買知識を分かりやすく解説します。 詳細は、こちら
日時:2015年9月16日(水)10:00~17:00
会場:Learning Square新橋(東京・新橋)
主催:日経ものづくり
コメントする
コメントに関する諸注意(必ずお読みください)
※コメントの掲載は編集部がマニュアルで行っておりますので、即時には反映されません。

マイページ

マイページのご利用には日経テクノロジーオンラインの会員登録が必要です。

マイページでは記事のクリッピング(ブックマーク)、登録したキーワードを含む新着記事の表示(Myキーワード)、登録した連載の新着記事表示(連載ウォッチ)が利用できます。

協力メディア&
関連サイト

  • 日経エレクトロニクス
  • 日経ものづくり
  • 日経Automotive
  • 日経デジタルヘルス
  • メガソーラービジネス
  • 明日をつむぐテクノロジー
  • 新・公民連携最前線
  • 技術者塾

Follow Us

  • Facebook
  • Twitter
  • RSS

お薦めトピック

日経テクノロジーオンラインSpecial

記事ランキング