II. 非常事態における情報発信と国際連携

 東日本大震災や福島第一原子力発電所事故のように、その影響が国内外へと広範囲に及ぶ非常事態においては、被災や事故の状況につき、迅速且つ適切に情報発信を行なう体制を構築し、最善の運用を図ることが、極めて重要である。情報開示においては、国家機密に属する最重要事項以外は全て迅速な開示を原則とし、国民及び国際社会に対して透明性をもった対応を行う事が重要である。「24時間」「原データ」「多言語化」の3点につき緊急提言する。

(1)今般の大震災、巨大津波、及び原発事故は、国内のみならず、国際的にも大きなインパクトを与えるものである。世界の様々な地域との時差を勘案すれば、日本から24時間ベースの情報を発信することが、無用な誤解、風説・デマを回避し、日本の情報発信に対する信頼を高めるためにも不可欠である。

(2)重大な災害や事故の場合、原データ(raw data)を提供することが、発信情報の信頼性を維持する上で、重要である。原データを提供することにより、その分析・評価や解釈につき、海外諸国の協力を得られる等のメリットもある。

(3)国際社会に様々な影響を与えるような大災害や事故の場合は、日本政府として、多言語による海外向け情報発信を行なうことが、日本の国際的信用を維持するためにも、また国際連携を進めるためにも不可欠である。グローバリゼーションの時代における、海外向け多言語情報発信機能を早急に確立すべきである。