趣旨
開発の現場ではまるで流行のように「設計の標準化」や「部品の共通化」、さらには「製品構造のモジュール化」、といった掛け声が掛かり、さまざ まな活動が行われてきたのではないでしょうか。しかし、グローバル化の発展、市場の多様化、不確実性が増大する現在、製品の中核となるべき部分を 見失わない「プラットフォーム化」が目指すべき方向です。単に共通化やモジュール化を進めるだけでは製品を差別化できず、コモディティ化の波に飲 み込まれてしまいます。高品質とカスタム化がお家芸である日本の製造業にとって、普遍的な機能をプラットフォームに高い品質で作りこみ、さまざま なオプションで多様化したニーズに合わせていく設計を実現していくのが歩むべき道です。
津田 真吾(つだ・しんご)
iTiDコンサルティング ディレクター
早稲田大学機械工学科卒業後,IBMにてハードディスクの製品開発を幅広く担当。シリコンバレーへの赴任や日立製作所による吸収合併など大きな環境の変化を体験し、技術革新を生む環境づくりに関心を持ち、iTiDコンサルティングに参画。構想設計のプロセス構築や、製品プラットフォーム構築の支援などを中心に、価値向上と効率化の両立を目指した開発プロセスコンサルティングに実績。技術者の創造力開花を信条とする。