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HOMEものづくり今さら3次元化?常識を覆す部品メーカーの実情 > 第1回 改訂されない図面

  • 黒河 博人=’K design代表
  • 2010/11/02 11:00
  • 1/2ページ

停滞する図面改訂

 2008年春、ある東証一部上場の部品メーカーに勤務していた筆者は、部品の設計変更のため図面を管理システムからチェックアウトしようとした。ところが、関連図面の中に、2004年からチェックアウトされたまま「改訂中」の状態のままのものがあった。しかも、2004年以来の設計変更履歴が十数件もある。

 「何だ、これは…」。要するに、設計変更の記録はあるのに、図面に関しての設計変更が実施されていないのである。

 ものづくりの現場においては、設計変更通知だけでものごとが進んでいく、というのはそれほど珍しいことではないのかもしれない。そのこと自体では筆者は驚かなかった。しかし、それが何年間も累積しているとなると、ちょっと異常である。異常も続くと正常となるのだろうか?

 このような状況を正常に復するべく、手を打つべき時がいつかといえば、それは産業界が低迷期を通過し活況化する前の今をおいてないであろう。そうでないとすると、一体いつ足場を固めることができるのだろうか。本連載では、この部品メーカーが陥ったような図面の停滞に対しても、効果的に解決可能な案を提示していきたい。

 この部品メーカーは、創業以来55年の歴史を誇る業界のトップメーカーで、日本の産業界と共に発展、成長してきたパイオニア的存在である。創業当初には数種類しかなかった製品群を発展させて数十種類のオリジナル機種とし、さらにそれらをベースとしてカスタマイズすることで、多様な顧客ニーズに応えて成長してきた。それを長年続けてきた結果、全展開製品機種は理論上、数百万種類にも上るという。実は、この状況が図面改訂の停滞を招き、ひいては積極的な設計変更を邪魔する要因にもなっていたのだった。

 設計変更は、メンテナンスだけでなく顧客からの特注要望、製品のフィールド対応などに伴って必要になる。当然のことながら、あらゆる部品がその対象になり得るため、設計変更業務は日常的に発生する。ここで、ある1つの機種の構成部品で変更があったとしよう。たいてい、多数の姉妹機種が同じ部品を共有しており、それらの姉妹機種にはそれぞれ図面がある。筆者が遭遇したケースでは、その1部品を共有する姉妹機種の図面が、組立図だけで150点近くもあった。

 つまりこのような設計変更があると、1部品の図面を修正するだけでは済まず、150点もの図面を片っ端から修正していかなくてはならなくなる。多忙な設計者にそんなことができるわけもなく、結果として記録上は設計変更履歴が十数件もあるのに、図面にはそれが反映されていない、という事態になっていたわけだ。皮肉なことだが、ある意味で「図面レス」な世界がそこにあった。

 さて、筆者はこのような状況を救う手立ての1つに、設計の3次元化がある、と考えている。なぜ3次元化が設計変更に有効なのかを説明することは本連載の主題なのだが、その前にこれまでさまざまなメーカーが取り組んできた3次元CAD導入とは何だったかを振り返っておきたい。

生き残りをかけていたセットメーカーの3次元化

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