3次元CAD導入による設計部門を起点とする改革は、電機メーカーや自動車メーカーといったセットメーカーでは、もはや当たり前。その後に続くのが部品メーカー――というはずだったが、現実には汎用部品メーカーでの3次元化は意外と進展していなかった。日本のものづくりを支える部品メーカーの設計3次元化が進んでいないという事態は、危機に瀕している日本のものづくりにおいて明らかに何とかすべき問題である。
複数企業複数業種で設計3次元化を経験した筆者は、ある有力部品メーカーに入社、その内側から設計3次元化における問題点に直面していく。そこで見えてきたのは、部品メーカーならではの「文化」が改革の妨げになっている、という実態であった。大手メーカーに比べて部品メーカーが遅れているといった単純な認識では、部品メーカーの設計3次元化はまず進められない。まして、大手メーカー用システムの縮小版が部品メーカーに適しているなどとは言えない。
今求められているのは、部品メーカーのビジネスをよく洞察した上での改革方法の確立であろう。