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ものづくり復活の会計術

だから『カイゼン』が進まないんだよ

  • 北山一真=経営コンサルタント
  • 2010/07/12 09:30
  • 1/4ページ

「0.5人月のカイゼン」実施

 今、多くの企業でカイゼンが進まないと嘆く声が多い。カイゼン活動に対して正しい扱いが出来ておらず、現場のカイゼンモチベーションを下げてしまっている企業が多い。今回は、「0.5人月のカイゼン」をキーワードに企業の根底であるカイゼン力を向上させるヒントを探っていきたい。では、「0.5人月のカイゼン」はどのように扱われているのか?多くの企業で起きている二つの問題指摘をしたい。

I.「効果の可視化」問題

 カイゼン評価における第1の問題点としては、現場が様々な工夫をし、頑張った「0.5人月のカイゼン」効果が、実際原価で計算されないということである。要は、頑張ったカイゼンが、実際原価上では消えて無くなってしまうのである。

 「えっ。そんなバカな。」

 そう。そんなバカなである。これは何度も口にしているが、財務会計と管理会計の一致(財管一致)が引き起こしている問題である。多くの企業では、月次にて各部門の予算管理・工場における実行計画管理・事業部におけるP/L予実管理など、月次での業績管理を行っているはずである。そのために月次で販売実績・生産実績・各部の経費実績などのデータを計算し実際原価を算出している。そして予算と実際原価の差異により各部・工場・事業の評価を決めているはずである。

 なぜ、実際原価で0.5人月が表現できないのか? まずは、実際原価がどのように計算されているか簡単に確認していきたい。

 実際原価は月次で発生した作業員の「賃金」「残業代」やスタッフの「給与」などの経理データを元に計算を行っている。この経理データというのが問題なのだ。先程の「0.5人月のカイゼン」と言っても、ある人を半分に割ることが出来ない。だから、0.5人月分だけ辞めてもらうことが出来ず、結局1人月分の給与を払うことになる。そうなると頑張って進めた「0.5人月のカイゼン」は効果が無いのと同じ扱いになってしまうのである。このように、財務会計(原価計算基準)をベースにした実際原価計算では発生経費を使用するため、カイゼン評価に弊害がでるのである。

* 契約社員・期間工などの非正規雇用者の場合などは一部例外が存在する。

 では、これらを解決するために何をすれば良いか?「0.5人月」のカイゼンを可視化させるために下記の二つの取り組みが必要となる。

(1)財務会計と管理会計の分離(財管分離)

 財務会計上、0.5人月を表現できないのは仕方ない。よって、財務会計とは分離し、管理会計上で可視化できるようにしておくのである。具体的には、「0.5人月」分の経費に関しては、製品に賦課せず事業部や工場など組織運営責任部署にプールしておくような仕組みを作ることである。

(2)管理会計効果の共有

 カイゼンによる「0.5人月」の効果(人員の空き)を可視化し、「0.5人月」に無駄が出ないようにする。そうすることで、部門間で柔軟な仕事のやりくりができ、「0.5人月」に対して新たな仕事を他部署から受け入れるか、他部門に「0.5人月」分の労力を出すことが可能になる。多くの企業ではこのような事が重要だとは分かっていても、実際に出来ていないのが現状である。このような柔軟な仕事の受け渡しを定着させるためにも、他部署の空きリソースを使った場合は標準の社内レートより安く設定するなどのインセンティブを働かせる仕組みもあわせて検討をする必要がある。

 簡単ではあるが、解決に必要な主だったポイントを記載した。財務会計と管理会計を分離し、0.5人月を可視化できるように経理や原価管理部と検討を行ってもらいたい。

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