図1●国内スマートフォンの出荷台数シェア(2009年度実績)。出所:MM総研,「2009年度通期国内携帯電話端末出荷概況」(2010年4月)。
図1●国内スマートフォンの出荷台数シェア(2009年度実績)。出所:MM総研,「2009年度通期国内携帯電話端末出荷概況」(2010年4月)。
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 MM総研は4月22日,「2009年度通期国内携帯電話端末出荷概況」を発表した。それによると,国内における携帯電話機の出荷台数は2009年度に対前年度比4.0%減の3444万台だった。2年連続で出荷台数は減ったものの,半期ごとに見ると2009年度上半期,下半期と連続して前半期より増えている。MM総研によると,「国内携帯電話機の出荷台数は当初見通しより減少幅が小さかった」という。その理由は,(1)ユーザーが携帯電話機を買い替える期間の長期化が想定よりも緩やかになっていること,(2)スマートフォン市場が予想以上に拡大したこと――である。

 スマートフォンは2009年度の市場全体の6.8%(234万台)を占めた。対前年度比で113%増と急成長している。メーカー別のシェアでは,iPhone 3GSの販売が好調な米Apple社が72.2%で圧倒的な首位。それに,台湾HTC社が11.1%,東芝が6.8%で続いている(図1)。2010年度は米Google社のAndroidや米Microsoft社のWindows Phoneなど,iPhone以外のプラットフォームとの競争が激化しながら市場は拡大していく見通しだ。この結果,国内スマートフォン市場は2010年度に300万台規模に達するとMM総研は予測している。

 スマートフォンを含む2009年度の携帯電話機全体のメーカー別出荷状況を見ると,シャープが対前年度比9.5%増の903万台を出荷し,26.2%のシェアを獲得。2005年度以降,5年連続で首位の座を維持した。同社はNTTドコモとソフトバンクモバイル向けに前年度並みの出荷台数を維持しながら,KDDI向けの出荷を伸ばした。

 MM総研は携帯電話機の出荷台数は2010年度に底を打って,それ以降は回復すると見ている。2010年度は対前年度比1.0%減の3410万台,2011年度は同3.2%増の3520万台,2012年度は同1.1%増の3560万台と予測する。

 その理由として,(1)スマートフォン市場のさらなる拡大,(2)低価格端末の充実,(3)2012年7月の周波数再編に向けたKDDIによる端末買い替え促進施策の本格化,(4)LTE対応端末の発売――を挙げている。