(前回から続く)
「第四回中国新能源国際フォーラム」の中にはサミット・フォーラムが設けられ,太陽電池関連企業のエグゼクティブが一堂に会してディスカッションをした。この場では,各エグゼクティブの本音の発言も漏れてきた。参加者は以下の通りである。
司会者:
李俊峰氏 (中国国家発展改革委員会能源研究所副所長)
登壇者:
張征宇氏 (恒基偉業注2)董事長)
解暁南氏 (Suntech副総裁)
高元坤氏 (力諾集団注3)董事長)
楊立友氏 (Chint Solar注4)総経理)
劉漢元氏 (通威集団注5)董事長)
林金錫氏 (常州Almadenガラス総経理)
注2)恒基偉業は,中国最大のハンドヘルド機器のセット・メーカー。太陽電池携帯など,太陽電池の応用製品も作っている。
注3)力諾集団は,太陽熱応用機器の大手企業。太陽光発電でも,太陽電池モジュール製造、発電所建設などに進出。
注4)Chint Solar Co., Ltd.(Astronergy)は,Oelikon Solar社のターンキー装置を導入し,薄膜太陽電池製造に積極的に進出している。
注5)通威集団は,永祥多結晶シリコン社の親会社。多結晶Si製造のほかに,建材一体型太陽電池の関連副材料,発電所建設などへも事業拡大している。
政府の補助を期待する産業界の声
冒頭で,李俊峰氏が司会の立場から問題提起をした。まず,現状の紹介である。
「2009年再生可能エネルギー産業の状況は,予測より大分良く,太陽電池セル生産は50~60%成長し,世界の設置量が7GWを超えた。風力発電も大幅に成長した。例えば,中国の統計では(まだ不完全ではあるが),1100万~1200万KW(11G~12GW),世界全体では10~15%成長した(米国は2009年と同じか5%減,欧州は前年比10%減)」。
続いて,今後の産業のポイントとして,「各企業は,現在の世界のCO2排出削減の議論を注視していかなければいけない」と指摘するとともに,シェア拡大が続く中国での太陽電池製造に対する海外からのダンピング訴訟に関しても警告を発した。
「太陽電池の反ダンピングについては,今後,企業がもっと注意すべきところである。コペンハーゲン会議の期間中,『専門的な貿易障壁を削除,将来市場を拡大する』という表題のフォーラムを開催した。中国の企業はこの件について気をつけてきたが,確かにこのごろの中国企業の価格が全部ショッキングな値段であり,もし2009年の中国のシェアが世界の60%にでもなれば,さらに厳しい状況に陥る可能性がある」。