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研究開発は社員のモチベーションを高めることが大切です

アルバック 会長 中村久三氏

2010/03/03 16:30
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 日経ビジネス誌は2009年3月30日号に特集「今こそイノベーション」を掲載した。同特集のサブタイトルは「ベスト30社に学ぶ危機脱出の処方箋」とうたう。日本の上場企業全社を対象に、日経ビジネス誌などの日経BPの主要3誌が上場企業のイノベーション力を独自の指針で調査した結果、真空技術を中核とする計測機器・電機系製造装置メーカーのアルバックを総合ランキングの第7位に選んだ(表)

日経BPの主要3誌が上場企業のイノベーション力を独自の指針で調査した総合ランキング表。アルバックは第7位
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 アルバックがイノベーション力に優れた企業として上位に選ばれた理由は、研究開発型企業としての態勢を維持し、研究開発力を武器に成長し続けてきたからだ。常に新しい分野向けの製造装置の研究開発に挑戦し、半導体向けから液晶向け、太陽電池向けと、それぞれ中核となる製造装置を投入し、売上高を伸ばし成長してきた。アルバックは2008年6月期までの10年間に売上高を3倍に急成長させた優良企業である。

 同社のルーツは、研究開発型ベンチャー企業だ。戦後の復興が始まった1950年ごろに当時の産業界の6人のエンジェル(ベンチャー企業への個人投資家)が出資し、1952年に日本真空技術という名前のベンチャー企業を設立した。この6人には、当時の松下電器産業(現パナソニック)社長の松下幸之助氏やアサヒビール社長の山本為三郎氏、日本生命社長の弘世現氏などといったそうそうたる名士が名を連ねた。当時の産業人有志は、日本国内に今後、最先端の科学技術を育て、それを応用する製造業を育てていくには、真空技術という要素技術が不可欠と読んだ結果だった。

 同社設立の理念に呼応し、東京大学から新進気鋭の研究者だった林主税氏、橋本光一氏、柴田英夫氏などが移籍し、研究開発型のベンチャー企業として出発した。その後、先端科学技術向けの専用装置向け事業が主体だった“日本真空技術”を、液晶や太陽電池などの大型事業向けの製造装置事業を主体とするアルバックに変身させた中心メンバーの一人が、現在会長を務める中村久三氏だ。中村会長に、研究開発型企業として全社員に研究開発でやる気を発揮させ続ける秘訣などを聞いた。

アルバック会長の中村久三氏
アルバック会長の中村久三氏

 アルバックの経営陣はここ数年間、「選択と集中はしない」と発言し続けている。激しい国際競争にさらされている日本の大手電機メーカー各社は事業の選択と集中を実践し、収益態勢の改善を続けている中で、アルバックの「選択と集中はしない」発言はかなり注目を集める。中村会長は「本人がやってみたいという研究開発テーマは拒絶せずにまずやらせる」という。

 最近は製品やサービスを支える各要素技術が先端化し融合化した結果、どの要素技術が新しい製品やサービスを差異化するキー技術になるかをなかなか予測できなくなった。ここで重要なことは研究開発テーマでは選択と集中をしないということだ。

 同社が所有する国内特許をみると、実に多種様々な研究開発をしていることがわかる。「磁気浮上装置」「導電性ペースト」「磁気記録媒体」などと、現在の中核事業から多少離れた印象を与えるものも保有している。もちろん、保有する特許の名称には「真空蒸着」「スパッタリング」「イオン注入」などの中核事業に直結するキーワードが入ったものも多い。しかし、次の新規事業をライバル他社に先行して確立するためには、基盤となる要素技術を見極める研究開発能力が必要になる。この多種多様な特許群を生み出した同社の研究開発者の集団は、さまざまな要素技術を守備範囲としていることになる。

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