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藤堂安人の「イノベーション雑記帳」

「恐怖」をコントロールするということ

  • 藤堂 安人=主任編集委員
  • 2010/02/12 14:00
  • 1/4ページ

 バンクーバーオリンピックがまもなく開幕する。日本選手のメダル獲得が期待されるフィギュアスケートやジャンプに注目が集まっているが、一方で日本選手は出場しないものの、最速を競う男子滑降(ダウンヒル)がとても面白い,ということを感じさせる映像であった。

 日曜日の夜、いつものようにNHKの大河ドラマを見終わって、そのまま見るともなくテレビをつけていたら、選手の視点でダウンヒルコースを滑り降りる迫力ある映像が目に飛び込んできたのである。

 時速160kmで滑るという世界は筆者には想像もつかないが、それでも昔スキー場で経験したコントロール不能の直滑降が頭に浮かんできて、手に汗握るようだった。ものすごい速さで次々と通り過ぎるフラッグ、狭くなったり広くなったりめまぐるしく変わるコース、そのうちもうなにがなんだか分からなくなって、最後は大ジャンプで視界は真っ白…。

 滑降の選手達は、急激に変化する状況を適切に判断し、筋肉の疲労に耐えながらバタつく板を抑え、どこまで突っ込んでも大丈夫なのかというギリギリの判断と恐怖と戦いながらジャンプに挑む。そうしたダウンヒルレーサーの頂点にいるのが、金メダル最有力候補と言われるノルウェーのアクセル・スビンダル選手である。

 なぜスビンダル選手は速く滑れるのか。番組ではその秘訣に迫ろうとする。一つは、同選手は前半でターンの必要なときだけ筋肉を使い他のときはなるべく温存して、後半のジャンプの時に板をバタつかせずに保持している。筋肉を有効に使って、スキー板をコントロールしているのである。

 さらにスビンダル選手は、こうしたフィジカルなコントロールだけではなく、メンタルな面でも自らをコントロールしていることが明らかにされる。

 実はスビンダル選手は、2007年に米コロラド州ビーバークリークで開催されたワールドカップでジャンプに失敗して転倒し、意識不明のまま病院に運ばれるという大事故を起こした。通常、こうした大事故を起こすと、これがトラウマになって、ジャンプする際に「心の声がブレーキをかける」ような状態になる。実際、大事故を起こした選手の多くが、その後なかなかいい成績を残せないでいる。

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