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HOMEものづくりものづくり復活の会計術 > 会計が、『ものづくり力』 を衰退させる!

ものづくり復活の会計術

会計が、『ものづくり力』 を衰退させる!

  • 北山 一真=経営コンサルタント
  • 2010/01/27 10:00
  • 1/3ページ

『儲かっている製品はどれだ?』
『販売をやめにする製品はどれだ?』
『新製品の利益が出てないが、黒(黒字)になる見込みはあるのか?』

 製造業の経営会議や企画会議で、最近良く耳にする言葉である。この問いに対して、迅速に答えられる企業は少ない。何故だろう? 多くの企業は、高額な会計パッケージを導入し、精緻な原価計算や損益データを見ることができるはずである。それにも関わらずに、前述のような重要な意思決定が出来ていない。長年多くの企業にて、経営管理や原価管理などのコンサルティングに従事してきて思うことがある。今の会計(&コストマネジメント)は、製造業を理解していない!製造業のための会計が存在しないのである。今の会計の考え方に問題点が大きく2つ存在すると感じている。

 問題(1):過去の計算が中心となっている!

 原価・コスト・利益などの損益関連のデータは、過去の結果を計算する事に注力していることである。月が締まって収集した実績データを元に加工(経理が頑張って配賦計算などをする)し、製品別原価を算出したりしている。実績データは重要であるが、それだけでは今後どうして行くかの経営判断はできない。多くの企業ではこの過ぎ去った過去の数字ばかりを眺めて、今後どうするという議論がなされているのである。

 問題(2):期間損益が中心となっている!

 意思決定に使われるのが“管理会計”である。しかし、多くの製造業の管理会計は、管理会計ではない!あくまでも月次・四半期などの期間損益(財務会計)のデータを、事業部別・製品別・工場別に分割しているだけである。1に記載したが、期間損益だと製造販売している製品Aと設計中の製品Dが一緒に費用計上されてしまい、損益の中身がわかりにくいのである。事業の基本は何か?『製品』である。では、その製品のライフサイクル(企画・開発~生産・生産中止)での損益を見えるようにしないと意思決定などできないのは当たり前である。期間でぶつ切りになった損益データなど意味をなさない。

図1 : 期間損益から判断できることは何か?
[画像のクリックで拡大表示]

 自動車部品メーカーでは、量産立ち上がり3ヶ月は初期流動の問題にて利益率が悪いが、その後は利益率がよくなる。しかし1年がたつと当初想定の月産企画台数に満たない事が多くなり利益率が悪化することがある。月単位で見ると利益率が大きく振れてしまうのである。

 デジタル家電などでも、立ち上がりは販売価格も適正水準を保ち、量も出るため利益率を確保できることも多い。しかし、3ヶ月もたてば当初予定より量が出ずに、利益率も落ち込む。また海外新興メーカーの台頭などで販売価格が予想下落することも多い。

 利益の出方は様々であるが、どちらにしても製品のライフサイクルを通した損益管理が重要となるのである。これに関連して多くの企業が誤解していることを補足しておく。配賦などを駆使し、製品別の個別原価計算が出来ている企業は多い。その製品別原価を期間を通して足し算すれば良いと思っている企業がいる。それは大きな間違いである。なぜ間違いかは、制度会計のルールの問題なので、別途機会を設けて説明したいと思うが、製品別原価計算をしているから大丈夫だと安心しないでもらいたい。

『 損益計算書 』 は、企業を腐らせる!

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