図1●半導体材料の仕向け地別出荷金額(2006年〜2008年実績,2009年実績推定,2010年〜2011年予測)。出所:日本半導体製造装置協会,SEMI(Semiconductor Equipment and Materials International),SEMIジャパ ン,(2009年12月)。
図1●半導体材料の仕向け地別出荷金額(2006年〜2008年実績,2009年実績推定,2010年〜2011年予測)。出所:日本半導体製造装置協会,SEMI(Semiconductor Equipment and Materials International),SEMIジャパ ン,(2009年12月)。
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 国際半導体製造装置材料協会(SEMI)が2009年12月に発表した予測によると,2011年の世界の半導体材料出荷金額は対前年比8.1%増の429億1000万米ドルになる(図1)。2009年に同18.8%減と大幅に落ち込む半導体材料市場だが,2010年以降回復に向かう。

 2011年の材料市場を仕向け地別に見ると,構成比は21.9%と最大消費地の日本市場が,対前年比7.8%増の94億米ドル。次に構成比が大きいのは2ポイント差の台湾で19.9%。成長率は日本より大きく,対前年比8.9%増になる。台湾は前工程だけでなく,後工程でも半導体生産に大きくかかわっており,2011年の材料出荷額が2008年レベルを超える。台湾向け以外では,半導体市場に遅れて参入した中国向けやその他地域でのみ2011年が2008年レベルを超える。

半導体市場より振れ幅が大きく

 2009年の半導体材料市場と製品市場の動きと比較すると,市場の収縮は材料市場のほうが大きかった。世界半導体市場統計(WSTS)によると2009年に半導体出荷金額は対前年比11.5%減だったが,今回のSEMIの材料出荷金額公表値は同18.8%減とより大きく縮小した。対照的に,2010年の回復は半導体よりも材料のほうが大きくなる。半導体市場よりも上下動が激しいのは,在庫圧縮や調達確保のためのダブル発注など振れ幅を大きくする要因があるからだ。