【宇宙戦略(5)】JAXAを文科省から切り離せ
はじめに
事業仕分けにおいて、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が厳しい評価を受けた。国際宇宙ステーションへの補給機HTVの予算260億円は1割カット、「GXロケット」の開発費58億円は予算計上そのものが見送りと判断されるなど、その存在意義を根底から問われる状況となっている。
たしかにHTVの成功は、米国の1/17程度にすぎない低予算という条件を考慮すれば、一定の評価を与えられるべき業績だと思う。しかし、それだけでは国民は納得しない。宇宙基本法の理念になる「宇宙の開発から宇宙の開発利用」の、「利用」の部分にもっと力を入れ、産業競争力の強化により貢献する必要があるだろう。
日本のシェアは限りなく小さい
そもそも、世界の商業ロケット打ち上げ市場における日本の存在感はどのようなものなのか。そこからみていきたい。
(1)衛星について
2004〜8年の平均ベースで考えると世界の衛星開発実績は、年間90機である。そのうち日本は年間6機となる。一方、米国は29機、欧州は13機だ。ここまでだと日本は健闘しているかのようだが、商業衛星受注に話を移すと、事情はまったく変わる。
商業衛星受注残は(2007年)、日本1機に対して米国49機、欧州40機となり大きく差をつけられている。このうち米国は、予算が17倍近く、安全保障衛星も多いので比較の対象にはなりにくい。だが、予算が3倍に過ぎない欧州と比べても、商業受注残が衛星で1/40というのは、あまりに少ないのではないか。
さらにショックなことには、日本より予算の少ない韓国企業も、ドバイ、マレーシアから受注を獲得しているが、日本はこれもない。ようやく、2009年に、初めて1機(シンガポール、台湾の共同衛星)獲得した。遅すぎるといわざるを得ない。
(2)ロケットについて
ではロケットはどうだろうか。世界のロケットの打ち上げは年間62機で、このうち米国は16機、欧州は5機、日本は2機である。衛星と同じく、ここまでだと健闘しているかのようだが、商業打ち上げ実績は(2004〜08年の平均ベース)、米国7機に対して欧州4機、日本は0機というのが実態だ。2009年1月に海外衛星(韓国)の打ち上げを初めて受注したが、日本の衛星との相乗りであり、日本側負担の方が大きいという笑えない話になってしまっている。
なぜ市場は広がらないのか
それもそうだろう。日本企業ですら日本の衛星やロケットを使用しないのだから。日本の衛星やロケットは性能、信頼性、コストなどの面から「商売にならない」状況なのである。具体的に見てみると、まず通信・放送業においては衛星につき20機中19機を外国から購入している。ロケットでは、20機すべてを海外企業に打ち上げを委託しているのである。
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