お店に行ったりショップで購入する前に、メーカーのWebサイトなどでその商品の情報を詳しく調べ、さらに価格比較サイトやブログ検索で競合商品と比較しながら商品の評判を見る。何を買うかが決まったら、再びインターネットで最安値のお店を探し、ネット通販で購入する(Action)。最後は、商品を実際に使った体験を、ブログやSNS、価格比較サイトなどに投稿する(Share)。この流れをモデル化したのがAISASだ。

 AISASの流れに沿って考えてみると、テレビなどできちんと広告を打って消費者に認知され、かつ興味をそそられるような広告表現になっていれば、ネット検索数が伸びるはずなのだ。そこで、先ほどのGoogle Insightsで自社商品と競合商品との検索数を比較して見ると、広告の効果がある程度可視化できる。

 ネット通販などで商品を買うことが多くなった最近では、検索数の多寡は商品の売れ行きを左右する重要な要素になっている。検索数が競合商品より少なければ、商品を検討してもらう以前に、興味すら持ってもらえていない可能性が高いからである。その場合は、マーケティングや宣伝部門の担当者に少しくらい文句を言っても、バチは当たらないだろう。もちろん、ケンカにならない程度にした方がいいけれど。

検索結果だけでは本質を見失う

 ネット業界に明るい読者は、「わざわざ、Google Insightsのサービスを使わなくても分かるんじゃないの?」と思うかもしれない。

 以前、このコラムで紹介したようにGoogle社の検索サービスは、評価の高いWebページからのリンクが多いWebページほど上に表示される。だから、商品名を普通にネット検索して、競合製品よりも上に表示されていれば、世の中に浸透しているということだと思いがちだ。

 ネット検索の結果は、世の中でそのキーワードに興味がある人が最初に見る画面である可能性があり、テレビのように消費者に商品を認知させるメディアという側面もある。特定のキーワードで検索したときに、自社の商品やサービスを上位に表示させるようにWebページの記述を工夫する「SEO(検索エンジン最適化)」というサービスがあるほどだ。

 もちろん、検索結果の上位にランクされることは大事なのだが、実はそれだけでは大事なことを見落としてしまうこともある。最近、恥ずかしながら、私自身がこれで失敗体験をした。