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HOMEスキルアップマネジメント藤堂安人の「イノベーション雑記帳」 > 「ジレンマ」に「反発」する中国人

藤堂安人の「イノベーション雑記帳」

「ジレンマ」に「反発」する中国人

  • 藤堂 安人=主任編集委員
  • 2009/11/27 16:00
  • 1/3ページ

 先日のコラム「新興国市場戦略のジレンマ」を当サイトの中国語版である技術在線!掲載したところ、40件以上のコメントをもらった。筆者のコラムでこれほど多くの中国人読者の方々から反応があったのは初めてのことだ。そしてその多くは批判や反論であった。なぜ、中国人読者はこのコラムに反発するのだろうか。技術在線!編集部に和訳してもらったので、その一部を紹介しながら考えてみたい。

 最も多かったコメントは、「ジレンマ」という考え方そのものへの反感である。ここで言う「ジレンマ」とは、日本メーカーが日本市場向けに高品質・高価格なものを造るほど、中国市場向けに低品質・低価格なものを造る「力」が弱まる、といった傾向を指した言葉である。これを中国人読者の方々は、「日本市場=高品質」vs「中国市場=低品質」という対立軸を想定して、傲慢だと見ているようだ。例えば、こんなコメントを頂いた。

■この記事は、(日本人の)過剰な自信に基づいている。問題は、過剰品質や過剰技術にあるのではなく、製品そのものにある。例えば、ビデオCDや携帯電話などで日本メーカーは失敗に終わったが、これは技術が過剰になったのではなく、新製品投入の頻度が少なく、市場ニーズに対応しきれなかったためだ。

■この記事の要旨は、「日本企業は良い製品を作っている。良い製品はいずれ消費者に認められる」ということだろう。しかし、私が見るに、消費者の違いを無視し、日本で成功すれば他の国でも成功できると思い込んだら、早かれ遅かれ挫折を味わう。実際に、携帯電話市場はそうだった。

■はっきり言わせてもらえば、このコラムの著者はまったく中国市場を理解しておらず、勝手に放言している。「中国市場では、時間的にまだ日本製品の品質や信頼性の良さを認知または理解していない段階だとも思われるのである」というくだりを読んで、思わず笑ってしまった。デジカメから液晶テレビ、自動車まで、日本の製品が中国で相次いでリコールされている現状を知らないのだろうか。(中略)先進国から来た記者の傲慢な視線で見て、自国の製品の技術が進んでいるため、他国の人間は適応できないと考えているのではないか。中国では、欧米や韓国のメーカーが日本メーカーと競争していることを忘れないでほしい。(中略)きちんと現地で調査すべきだ。

■著者は中国市場をまったく理解していない。「日本市場向けに開発された技術や製品が新興国市場では売れない---特に中国やインドなどの新興国市場で日本メーカーの技術や製品が過剰技術または過剰品質であることから顧客から受け入れられない点が問題になっている」という冒頭の文章からしてその証である。中国市場における携帯と液晶テレビを例にすると、韓国Samsung社の製品こそハイテク製品だ、という印象を中国消費者は持っている。Samsung社と比べてみれば、多くの日本の電機メーカーが中国で販売している携帯電話機や液晶テレビは技術的に果たして進んでいるのか。(中略)ハイテクだと言えるのか。冷蔵庫や洗濯機などの日本製品は言うまでもない。日本のエレクトロニクス製品に対する中国消費者の現在の印象は、「価格は高いが、技術的には欧州や韓国メーカーの製品に及ばず、品質も今一だ」というものだ。

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