まだTwitterでは先進ユーザーの比率が高いけれど、国内のTwitterユーザーが、1000万人、2000万人と増え、普通の人が使い始めると、情報伝播の経路も変わるだろう。恐らく、その威力はさらに大きくなる。

 さらに、情報を伝えた人数や回数だけでなく、どのような経路でどのような情報が伝わるかも可視化できる。例えば、「商品の質が悪い」「この機能は便利」といったTwitterユーザーの商品評価に、どのように同調や反論が巻き起こり、それがどう広がっていくかがリアルタイムに見えるようになる。

情報伝播の可視化は技術開発を変えるか

 情報伝播の可視化は、マーケティングの観点だけでなく、商品開発の段階でも役立つ。

 モノを売るための手法は、ネットの口コミ分析の登場で、従来とは様変わりし始めている。リアルタイムの口コミ分析が可能になると、モノを“売る”と“作る”の境界は、これまで以上にあいまいになっていくのではないか。例えば、ネット対応の家電などでは、商品自体に、世の中で流行しているサービスや情報をリアルタイムに提供する機能が取り入れられるかもしれない。

 自分が作ったモノやサービスは、たくさんの消費者に使ってもらって、はじめてうれしいものだ。近い将来、メーカーと顧客とのつながりそのものが商品力となり、販売力になるだろう。その時には、開発と販売,そして消費者による利用が,リアルタイムで関係し合うような商品開発が行われるに違いない。