この考え方の中で極めて重要なポイントとして挙げられるのが、「キーストーン企業」、すなわちエコシステムの中核になるような「森の大きな木」の必要性です。まさに、企業城下町のイメージですね。この成長の核がないと、思うように「共同体」が発展していかないのです。
残念ながら、筑波にそれと位置付けられそうな企業はありません。ほかの地域も同じでしょう。なぜなら、わが国の行政はこれまでずっと、ビジネス・エコシステムなどまるで意識しないでサイエンスパークや工業団地を作ってきたわけですから。
それを今から変革していかなければなりません。そのとき指標となるのが、ビジネス・エコモデル、すなわち「場の活性化を図りたいと思ったら、まずは中核となる企業を育てていく」ということになるのではないでしょうか。
早稲田大学客員教授 参議院議員