話の構成が良く,内容が充実していたとしても,話し手の意図が聞き手に伝わらないことは多々あります。なぜなら,コミュニケーションにおいて声の大きさやトーン,話す速度などさまざまな要素が影響しているからです。
話をより伝わりやすくするポイントを以下に挙げます。ただし,絶対的な“正解”はありません。細かいことにとらわれすぎず,個性を生かして元気良く話を進めることも同じぐらい重要です。
(1)発声練習をする
気を付ける項目は次の通りです。
- 声の大きさ
- 声のトーン
- 声の高低
- 話の速度
- 間の取り方
(2)話に流れを持たせる
上手な話し方には,“流れ”というものがあります。具体的には,構成を考えるときに以下に配慮します。
- 話の内容を絞り込む
- 話の全体像を作る
- 体系的な構成を考える
- 構成間の過程を考える
(3)内容に魅力をもたせる
単に伝えたいことを話すだけでは,聞き手も退屈してしまいます。以下のようなアイデアを採り入れてみます。
- 聞き手にとって身近な話題や有名人の事例を盛り込む
- ウイット(場に合った機知に富む話)やユーモア(しゃれっ気)を盛り込む
- 即興の話を盛り込む
(4)時間配分を工夫する
聞き手に「長い」あるいは「退屈」などと感じさせない工夫が必要です。
- 前段/中段/まとめのバランスを取る 例1:前段20%,中段60%,まとめ20%
- 適度に間を取る
- 小道具を活用する
- 話の重点となる部分(山場)を要所に分散させる
例2:前段20%,中段70%,まとめ10%
話すことに慣れていない方や,今後話す機会が増えそうな方には,日ごろから十分に準備しておくことをお勧めします。自分が話している様子(音声や映像)を記録し,気になる点を確認しましょう。繰り返し練習することで,レベルは確実に高まります。