液晶モニターやノート・パソコン(PC)などのIT(情報技術)機器市場は,2008年秋に起こった経済危機以降,出荷量の減少が続いたが,足元の動向から,わずかながら回復の兆しが見て取れる。

 液晶モニターの2009年第2四半期(4月~6月)の出荷実績は前年同期比7.8%減の3950万台だった。前年同期比では4期連続のマイナス成長だが,前期比では3期ぶりのプラス成長となった(図1)。ノートPC(ミニノートPCを含む)の2009年第2四半期の出荷実績は3830万台(前年同期比16.1%増)である(図2)。こちらも,前期比でプラス成長となったのは液晶モニターと同様に3期ぶりだ(地域別出荷シェアなど詳細データはこちらから)。IT機器向けの液晶パネル需要は,2009年第1四半期に当面の底を打ったもようである。

図1 液晶モニターの地域別出荷台数の推移
出典:ディスプレイサーチ発行 「季刊 デスクトップモニター出荷調査レポート Q3'09版」
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図2 ノートPCの地域別出荷台数の推移
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 メーカー別の出荷実績を見ると,液晶モニターでは,韓国Samsung Electronics Co., Ltd.が4期連続で出荷数1位をキープ,次いで米Dell, Inc.,米Hewlett-Packard Co.(HP),台湾Acer Inc.と続く。上位5社で出荷量の6割を占める(図3)。またノートPCでは,HPがシェア21%で出荷数1位を維持し,Acer,Dellが続いた。ノートPCの場合は,上位5社で出荷量の約7割を占める(図4)。

液晶モニター企業別シェア
図3 液晶モニターのメーカー別出荷数シェア(2009年第2四半期)
出典:ディスプレイサーチ発行 「季刊 デスクトップモニター出荷調査レポート Q3'09版」
ノートPC企業別シェア
図4 ノートPCのメーカー別出荷数シェア(2009年第2四半期)