図1●台湾Acer社の売上高の推移(2008年1月〜2009年7月実績)。出所:大和総研香港,(2009年8月)。
図1●台湾Acer社の売上高の推移(2008年1月〜2009年7月実績)。出所:大和総研香港,(2009年8月)。
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 台湾Acer社の売上高が対前年同月比で二桁増に回復した。4月と5月は部品不足の影響で,それぞれ4%増,2%増まで低下したが,6月は22%増に回復し,7月はさらに拡大して33%増に達した。同社の売上高の約半分を占める欧州向けが上向いていることが主な要因と見られる。8月以降もこの好調を維持する可能性が高い。

中国市場でシェア10%獲得が視野に

 Acer社は中国でノート型パソコンのシェアを拡大している。2008年の同社の出荷台数シェアは7.2%だったが,2009年第1四半期は8.0%,第2四半期は8.9%に上昇した。これに対して台湾のASUSTeK社のシェアは,2009年第1四半期の12.6%から第2四半期は9.7%に低下した。

 Acer社は中国でノート型パソコンのシェアを2009年内に10%まで上げることを目標としているが,競争力のある製品ラインアップと地方での販売力強化によって,目標達成は十分に可能だろう。

先行して新機種を投入

 2009年のAcer社の戦略は,他社に先駆けて新製品を投入することだ。4月には薄型低価格のCULV(consumer ultra-low voltage)機種をいち早く市場に投入した。続いて9月には米Google社の新OS「Android」を採用した低価格ミニノート型パソコンを他社に先行して発売する予定である。さらに,OSにAndroid,CPUに英ARM社ベースのチップを採用したスマートブックを開発中であり,これも他社に先駆けた市場投入が予想される。