日経ものづくり編集部からのお知らせ
本コラム著者の笠原隆氏は,2009年8月5日にお亡くなりになりました。本記事は,ご遺族の方の了解を得て掲載するものです。

 前回に引き続き「プラスα」の話をします。今よりも成長するためには,自分自身にプラスαの仕事を課します。ところが,技術関連の仕事をしていると,時間の概念が失われていきます。なぜなら,技術や技能に関する仕事には“区切り”がないからです。区切りがないと,どこからがプラスαなのかもよく分かりません。

 創造的な仕事の重要性が増すにつれ,最近は技術や技能以外でも,こうした区切りのない仕事が多くなってきました。このような仕事の場合,普段から自分でそれぞれの仕事について時間配分を定めておく必要があります。また,自分の実力(作業速度)も知っておくとよいでしょう。例えば,次のような作業についてどのぐらいの時間が必要でしょうか? 考えてみてください。

  • 思考時間(A4判1枚の企画書向けにアイデアを思考するのに要する時間)
  • 文章作成時間(A4判1枚の企画書を実際に作成するのに要する時間)
  • 図表作成時間(A4判1枚の企画書で使う図表を作成するのに要する時間)
  • 共同作業時間(A4判1枚の企画書をほかの人と一緒に作成するのに要する時間)

プラスαの仕事を毎日行なう

 自分の実力が分かると,プラスαも見えてきます。プラスαの仕事を毎日行うことを習慣にしましょう。このとき,1週間分をまとめて行わず,たとえ1%でも構いませんので,毎日こつこつと行ってください。そして,仕事に余裕ができてきたら,プラスαの範囲を1%から増やすように心掛けましょう。

《行動のサプリ》の記事はこれで最後となります。次回から《意欲のサプリ》の原稿を順次掲載していきます。次回は2009年9月14日(月)の掲載を予定しています。