前回はメモ用紙を活用したブレーンストーミング(BS)の進め方について説明しました。今回はホワイトボードを使うBSを紹介します。同じBSでも,使用するツール(道具)によって出てくるアイデアの量や質,内容が変わってきますので,目的に合わせてツールを選ぶ必要があります(ツールの種類と目的の関係は,《知識のサプリ》第18回を参照)。

 詳細な手順の説明を始める前に言っておきますと,ホワイトボードを使用する代わりにパソコンとプロジェクタを用いても構いません。パソコン上で出てきたアイデアを入力し,その内容をプロジェクタでスクリーンに投射します。これによってホワイトボードと同じ効果が得られます。

Step1:目的の確認(メモ用紙を活用する場合と同じ)

【最終目的を確認する】
 コスト削減,品質改善,時間短縮など

【目的達成に必要となる具体的な目標を確認する】
 改善目標金額,改善時間,目標性能など

【スケジュールを確認する】
 発想に費やせる時間,発想の手順

Step2:発想の準備

【備品を準備する】
 ホワイトボード(またはパソコンとプロジェクタ)

【発想に必要な情報を準備する】
 コスト,開発期間,現物・試作品,カタログなど

【発想方法を確認する】
 発想のルール,アイデアの書き方,タイムキーパー選定など

Step3:司会者のリードによるアイデア発想

【1課題当たり10分程度とする】

【書記がホワイトボードにアイデアを個条書きで記入する(またはパソコン上で入力しプロジェクタで投射する)】
 参加者はホワイトボードに書かれたアイデアを見て便乗したアイデアを追加していく
 司会者は発言者が偏らないように注意する

Step4:アイデアの整理

【発想した課題,発想者,年月日などを記入した上で記録する】

【パソコンとプロジェクタを使用している場合は,その場で用紙に出力して配ってもよい】

アイデア発想時の注意点

【発想のルールを厳守する】
 自由奔放
 質より量
 批判・判断の禁止
 他人便乗

【参加者が満遍なく発言できるように司会者は工夫する】

【提案されたアイデアはすべて記入する(選別しない)】