抵抗軍に入ってからは、ターミネーターにまつわる情報を探してはせっせとTwitterに書き込んだ。映画館に足を運ぶ際も「これから潜入してくるぜ」などとTwitterでつぶやいてから出かけてしまったのである。映画会社の思う壺ではあるが、映画を鑑賞した2時間強の時間だけでなく、見るまでの数週間、ターミネーターの世界を堪能させてもらった。

 恐らく、謎の人物「resistance_jp」は、その背後に本当の“人”がいる。抵抗軍への呼び掛けを投稿している黒幕の誰かが存在しているはずである。実は、同じようにTwitterをプラットホームに活用し、さらに一歩進んだ仕掛けで人気を呼ぶサービスがある。私もフォローしている「hatebu」さんというユーザーのつぶやきだ。

「hatebu」さんって、誰だ?

 「hatebu」さんは、非常に情報収集がうまく、毎日、ネット上のさまざまな分野のニュースや記事を網羅的にチェックし、「これは!」という情報を24時間絶え間なく、つぶやいて教えてくれる。つまり、「hatebu」さんと友人関係になり、hatebuさんのつぶやき投稿を読んでいると、世の中の最新ニュースのトレンドがつかめてしまうのだ。

 普通に考えると、「hatebu」さんは、ものすごく物知りで、かつ情報収集力があるなぁ、と本当に関心してしまう。でも、実は彼は人ではない。コンピューターなのだ。世界を支配してしまうターミネーターのSKYNETさながらの仕組みが、実際に稼動しているのである。

 その仕掛けはこうだ。

 ネット・ベンチャーのはてなが手掛ける「はてなブックマーク」というネット・サービスがある。ネット上の面白いニュースやブログ記事などを、ブックマークの形でネット・ユーザー同士が共有するソーシャル・ブックマークと呼ばれるサービスだ。「hatebu」は、はてなブックマークを短縮した「は・て・ぶ」のアルファベット表記である。

 このサービスの背後では、特定の期間に一定数以上のユーザーがブックマークした記事を自動的に選び出す仕組みが動いている。これが「hatebu」さんの正体だ。「hatebu」さんは、ここで選ばれた記事の「タイトル」「URL」「ブックマークされた数」をTwitterで自動的に投稿する。