「我々抵抗軍はTwitterを使いSKYNETと戦う仲間を探している。そして仲間達にはこのTwitterを使い、様々な情報を提供していく」――。

 こんな呼び掛けが「resistance_jp」という謎の“人物”によって、インターネット上に書き込まれたのは、今年の初夏。それから数週間でこの呼び掛けに賛同し、仲間になった人々は日本国内で2000人あまりに膨れ上がった。多くの人々が、この人物からの情報を定常的に受信しながら、偵察や仲間作りなど、様々なレジスタンス活動を始めたのである。

 この平和な日本でレジスタンス活動? そう不審に思った読者の皆さんは正しい。もちろん、本物の反政府運動ではない。実は、6月13日に上映が始まったハリウッド映画「ターミネーター4」のプロモーションのひとつだ。最近、何かと話題の「Twitter(ツイッター)」というネット・サービスを利用している。

つぶやきの共有を販促に活用

 ターミネーター4は、世界的な大ヒットとなった「ターミネーター」シリーズの最新作。前作までは、現カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガー氏が主演し、機械と人間との戦いを描いた。4作目の販促手法として映画会社が目を付けたのがTwitterなのだ。

 ご存じの方も多いと思うが、このサービスは米国のネット・ベンチャー、Twitter社が3年前に始めた。今、ネット業界では世界的に最もホットなサービスの一つだ。一般に「ミニブログ」と呼ばれるサービスで、ユーザーはそれぞれマイページを持ち、ブログのように記事を投稿できる。

 ただし、1件の記事の分量は最大140文字。限られた条件で投稿される記事の多くは「夕食にカレーを食べた」といったような、その時にしていること、感じたことをつぶやく程度のものだ。あえて定義すれば、つぶやき共有型のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)と呼んだほうが適切かもしれない。

 Twitterでは、あらかじめ登録しておくことで、他のユーザーのつぶやきを時系列で並んだ形で一覧できる。投稿を読みたい他のユーザーを設定することを「フォローする」と呼ぶ。内容は玉石混交だが、多くのユーザーをフォローし、投稿を眺めていると、何となく世の中の流れがつかめた気になる。最近では、オバマ米大統領が大統領選で活用したり、イラン騒乱で民衆の情報発信手段になったりするなど世界的にも関心が高まっている。