前回までは,ブレーンストーミング(BS)の全般的な特徴や種類を紹介してきました。今回からは,個別の手法の具体的な進め方を解説していきます。最初に解説するのは,メモ用紙を活用したBSの進め方です。

 メモ用紙を活用するBSの進め方は,以下の通りになります。

Step1:目的の確認

【最終目的を確認する】
 コスト削減,品質改善,時間短縮など

【目的達成に必要となる具体的な目標を確認する】
 改善目標金額,改善時間,目標性能,など

【スケジュールを確認する】
 発想に費やせる時間,発想の手順

Step2:発想の準備

【備品を準備する】
 メモ用紙,ペン,セロハンテープ,模造紙など

【発想に必要な情報を準備する】
 コスト,開発期間,現物・試作品,カタログなど

【発想方法を確認する】
 発想のルール,アイデアの書き方,タイムキーパー選定など

Step3:各人による発想

【1課題当たり10分程度とする】

【メモ用紙にアイデアを記入する】
 1枚に1件書く
 完全なアイデアでなくてもヒントでもよい
 文章に限らずポンチ絵や図表などを書いてもよい

Step4:グループによるアイデア発想

【1課題当たり10分程度とする】

【各人のアイデアを説明する】

【説明を受けたアイデアに対して便乗してアイデアを追加する】

Step5:アイデアの整理

【模造紙の上部に発想した課題,発想者,年月日,用紙番号などを記入する】

【残ったスペースに発想したアイデアやヒントをすべて張り付ける】

アイデア発想時の注意点

【発想のルールを厳守する】
 自由奔放
 質より量
 批判・判断の禁止
 他人便乗

【発想と判断を分ける】
 発想する時はいかなる判断や評価もしない
 発想中は他人のアイデアに対して批判や判断をしない

【アイデアはメモ用紙1枚に1件だけ記入する】

【発想中は,上司と部下,設計と生産など一切の関係性を無視する】

【模造紙にはすべてのアイデアを張り付ける(選別しない)】