前回は「時間泥棒」がいかに人々の意欲を奪っているかということを説明しました。時間泥棒に対しては,個人の取り組みも大切ですが,組織で取り組むとより大きな効果が見込めます。その方法とは「コアタイム」を設けることです。

勇気を持って「断る」

 ここではコアタイムを「電話や来客などの対応を一切せず,自分の仕事に専念する時間」と定義しました。このコアタイムを1日や1週間といった単位の中で要所に組み込んでいくことで,仕事に専念する時間を確保できるようになります。個人的に実施してもよいのですが,やはり組織全体で取り組む方が効果は高くなります。

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 とはいえ,取引先からの電話や訪問を断ることは勇気が要ります。「そんなことはできない」と思う方も少なくないかもしれません。

 しかし,例えば会社間であらかじめ曜日や時間を決めておけば,お互いの生産性を高められます。実際に会社間の枠を超えてこうした取り組みを行うことで,業務効率を改善した会社を,私はたくさん見てきました。最初からあきらめず,どうやったらできるかということを考えてみてください。それを考えるだけでも時間の使い方がかなり改善されるはずです。