企業の置かれている経営環境が急速に変化している昨今,昇進・昇級や転職・就職には資格を取っておいた方が有利と考える人も多いかもしれません。しかし,あなたにとって本当に資格が必要なのか,一度立ち止まって考えてみてください。

資格といっても千差万別

 一口に資格と言っても,国家資格,業界資格,民間資格,海外資格といった具合にさまざまな種類があります。その資格にどのような効果が見込めるのか,事前に十分に情報を集めて慎重に判断します。名前ばかりで役に立たない資格も数多く存在していますので,注意が必要です。

資格取得の目的を整理する

 資格取得の目的をきちんと整理することも大切です。資格取得が手段ではなく目的になってしまっているケースが少なくないからです。

 現在従事している仕事に関する資格を取得する場合,

  • 自分のレベルは上昇するか
  • 今よりもレベルの高い仕事を手掛けられるようになるか
  • 仕事の幅が広がるか
  • 社内外で仕事を進めやすくなるか
などの視点で資格の有用性を判断すると良いでしょう。

 一方,今の仕事とは直接関係のない資格を取得する場合,上記に加え,

  • 自分がいつかやりたいと思っている仕事に必要だったり役立ったりするか
を検証すると良いでしょう。

資格に関する情報を集める

 もし,あなたが取得したいと思っている資格を既に持っている人がいたら,その人から情報を聞き出しましょう。勉強の仕方,資格取得のコツ,現在は資格をどのように活用しているのか,資格を取得したことによるメリットとデメリット,将来の計画…。こうした内容を知ることで,資格に対する考え方が変わるかもしれません。

計画を作る

 以上のような検討を経て,それでも資格を取得するということに決めたら,計画を作ります。以下の項目を抑えておくと良いでしょう。

  • 全体計画の作成
  •  年間計画に始まり,月間計画,週間計画,日々計画と徐々に細かい計画に落とし込んでいく。これによってやるべきことが見えてくる。

  • 家族の協力を得る
  •  家族サービスに当てる日を優先的に設ける。

  • 集中するための時間を捻出する
  •  上記の家族サービスをしっかりやる代わりに,勉強に集中するためのまとまった日程も確保する。例えば,定期的に3~5日間ほど集中的に勉強する,毎日30分の勉強を1年間継続するなどの方法が考えられる。

  • 計画表を張り出す
  •  家族の見える所(台所,ダイニングルーム,トイレ)に張り出すと良い。

  • 資格関係の書類や道具をまとめる
  •  自宅では箱などにまとめておけば,外出時にそのままバッグなどに入れて持ち出せる。