2009年の全世界液晶テレビ需要は1億2700万台へ上方更新

 われわれは,液晶テレビの2009年の全世界需要について,「リーマンショック」後に大幅に見直し1億2000万台へと減数したが,今回,対前年比21%増の1億2700万台へ上方更新した(当該レポートはこちら)。

 2009年第1四半期はセット価格の下落が続いたことから,懸念された先進国での需要も堅調に推移した。劇的にCRTテレビから液晶テレビへと移行する中国市場および米国の「ウォルマート」に代表されるディスカウント店における需要の急成長を反映している。

2009年の中国液晶テレビ需要は2360万台,対前年比76%増へ急拡大

 特に2009年は,中国での液晶テレビ需要が対前年比76%増の2360万台へと急拡大し,初めて液晶テレビがCRTテレビを追い抜くと見込んでいる(図1)。全世界の液晶テレビ需要における中国市場のシェアは2009年に6%増の19%と急上昇し,2012年には21%と北米を追い抜いて最大の地域となると予測している。

図1 中国テレビ市場のディスプレイ技術別需要予測
横軸は年。RPはリアプロ・テレビ。DisplaySearchのデータ。
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 足元の液晶テレビの急成長を支えている最大の要因は,2008年後半以降の液晶パネル価格の急落を背景として,中国ローカル・ブランドの液晶テレビ(セット)価格が大幅下落したことにある。これにより,従来の沿岸部・大都市の富裕層に加えて,内陸部・中小都市の一般市民が液晶テレビを爆発的に購入し始めたことが大きい(図2)。

図2 中国ローカル・ブランドと外資ブランドの市場シェアと成長率の推移
Y/Yは対前年同期比。DisplaySearch社のデータ。
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