COLLEGE 製造業の“本当”を探求
 

理科の面白さを伝え、次世代人材を育成します

横浜創英短期大学 学長 小島謙一氏

丸山正明=日経BPプロデューサー
2009/06/19 19:00
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小島謙一氏
小島謙一氏

 第2回目は、日本の中学生や高校生に理科の面白さを伝えたいと考え、理数系高校の開校に尽力した大学教員の行動力を紹介する。その行動力の源は大学生の基礎学力を高めるリベラルアーツ教育の態勢づくりから得た人材育成の考え方にあった。
 日本の中学生や高校生が理科の授業に興味を示さなくなり、理科離れ現象が進んでいる。この結果、一部の大学では工学部などの入学試験の競争率が下がり、定員割れが起こったり、基礎学力不足の学生が入学するなどの問題が浮上している。大学の授業を通して、高校生の理科離れの影響を感じとった大学教員は大学の1、2年生に高校の物理や化学、数学の補講を行うなどの対応策を取り始めた。地域の中学や高校に科学(物理や化学)の面白さを伝える出前授業や、夏休みなどにサイエンススクールを開校するなどの動きを活発化させている。
 高校生などへの理科離れ対策がやや手詰まりな感じを強める中で、その有効手段の一つとなりそうな動きが今年4月に起こった。横浜市が理数系科目に特化した高校を開校したことだ。同校のサイエンスリテラシーづくりなどの教育態勢を支援する科学技術顧問の中核メンバーである横浜創英短期大学の小島謙一学長に、高校生や大学生の学習意欲を高める取り組みを聞いた。若者が学ぶ意欲を高め、独創的な発想をする人材を育成することが、将来のイノベーション創出を活発化させる土台になるからだ。

 横浜市は2008年11月に横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校(横浜SFH)を鶴見区に設置し、2009年4月に開校した。横浜の市立高校として約30年ぶりの新設高校である同校は今年の受験倍率が5倍を超え、神奈川県の公立高校で最も高い競争率を記録するほど、人気を集めた。2009年度の入学定員は約240人で6クラスを設けた。

 横浜SFHの特徴は豪華な5人のスーパーアドバイザーを抱えていることだ。ノーベル物理学賞受賞者である東京大学の小柴昌俊特別栄誉教授、東大総長や文部科学大臣を歴任した日本科学技術振興財団の有馬朗人会長、理化学研究所の和田昭允研究顧問など、そうそうたる人物が5人並ぶ。和田スーパーアドバイザーは同校の名前を決める際に、大きな力を発揮した。高校名には珍しく、カタカナの「サイエンス」を含むことで数理系に力点を置くことを強くアピールし、その存在感を全国に示すためだった。

 同校の教育態勢の目玉の一つは、1年生と2年生が必修として学ぶ「サイエンスリテラシー」という総合科目だ。このサイエンスリテラシーなどの教育内容を助言する“サポーター”として、横浜SFHはスーパーアドバイザーに加えて、科学技術顧問を40数人抱えている。この科学技術顧問の中で「常任」科学技術顧問の肩書きを唯一持つのが小島学長である。サイエンスリテラシーの具体的な中身は、今年開校しただけにまだ詰めている部分もあるため、小島学長は1週間の中で「合計1、2日は横浜SFHに通っている」と笑う。

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