趣旨
重要だと思うけど,実はよく分からない」――。特許についてこう思っている技術者は少なくないと思います。「特許のためとはいえ,何でこんなことをするのか」という疑問を感じていませんか? もちろん,疑問はひとまず棚上げしておき,前例に倣って仕事を進めるというのも一つの手です。しかし,その疑問を解消すれば,仕事への“納得感”が高まり,もっと良い設計ができるようになるかもしれません。 当コラムでは,架空の開発プロジェクトを題材に,メーカー勤務経験を持つ弁理士がこうした疑問に回答していきます。話の主人公は,とあるメーカーの設計・開発課に勤務する入社2年目の技術者「樋口くん」。若手技術者の目線を通じて,基礎中の基礎からちょっと深いテーマまで扱っていきます。
柳 康樹(やなぎ・やすき)
創英国際特許法律事務所 弁理士
1981年生まれ。2003年東京大学工学部卒業,同年4月家電メーカーに入社,家庭用電気機器の設計・開発に従事する。2005年9月創英国際特許法律事務所に入所,特許技術者として勤務する。2009年4月同事務所にて弁理士登録,現在に至る。得意としている分野は,機械,電子部品,制御など。