このコラムでは,電子デバイス業界における最近の話題を取り上げています。内容は,ニュース速報といった発表情報を紹介するにとどまりません。ニュースの本質を見極めるべく,日経マイクロデバイスの記者が取材を重ねた情報をまとめています。
NMDレポート
このコラムでは,電子デバイス業界における最近の話題を取り上げています。内容は,ニュース速報といった発表情報を紹介するにとどまりません。ニュースの本質を見極めるべく,日経マイクロデバイスの記者が取材を重ねた情報をまとめています。
目次
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これまでの常識を捨てて,電子デバイス産業の閉塞感を打破
この半世紀の間で,半導体や液晶パネルなど電子デバイスの進歩は,人々の生活や社会活動の在り方を劇的に変えた。その電子デバイスの成長に壁が見え始めている。微細加工技術の進歩と基板の大型化に頼った技術開発,高性能なIT(情報通信技術)関連の電子機器を広く普及させることに注力する応用開拓,垂直統合型から水…
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アナログ/ミックスド・シグナルLSIで一発設計成功へ,X-FABが設計パートナーのネットワークを立ち上げ
ドイツX-FAB Semiconductor Foundries AG Thomas Hartung氏
2009年後半に入り,LSI各社の業績は回復基調になってきた。しかし,経済危機前とは大きく変化した市場環境に対応するため,LSI各社とも事業構造の再構築を急いでいる。その中で,アナログ/ミックスド・シグナルに特化したSiファウンドリという独特のポジションでビジネスを進めるドイツX-FAB Semi…
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パナソニック,GaNトランジスタを6個集積した1チップ・インバータを開発,素子間耐圧は900Vを確保
パナソニックは,GaN系半導体を使ったトランジスタで構成したインバータICを開発し,半導体製造技術関連の国際学会「2009 IEEE International Electron Devices Meeting(IEDM 2009)」で発表した(論文番号7.6)。このインバータICでモータを駆動でき…
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「NOR型フラッシュ市場でわれわれが生き残れた三つの理由」,NumonyxのCEOが語った
2009年,半導体メモリー・メーカーは経済危機の影響をまともに受け,軒並み苦境に立たされた。それを象徴するのが,DRAM大手のドイツQimonda AGと,NOR型フラッシュ大手の米Spansion Inc.の相次ぐ経営破たんである。特に,NOR型フラッシュの最大手だったSpansionの破たんは,…
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イオン・ミリングの技術を一新して,損傷のないTEM試料を作製
透過型電子顕微鏡(transmission electron microscope:TEM)の観察用試料を,薄膜加工中にほとんど損傷を与えることなく作製できるイオン・ミリング装置が登場した。イスラエルのSELA社が開発した「Xact」である。最先端LSIの生産現場で,歩留まり向上の手段を探るための…
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米TIが注目する太陽電池向けマイクロ・インバータ
米Texas Instruments Inc. Dave Freeman氏
「太陽電池モジュールに大きな革新が訪れようとしている。われわれにとって多くのビジネス・チャンスがある」――。そう語るのは,米Texas Instruments Inc.(TI)で太陽電池関連ビジネスの責任者を務めるDave Freeman氏である。2009年5月に太陽電池関連ビジネスの専任部隊を立…
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IMECが開発するSiナノワイヤー太陽電池,量子効果を利用して変換効率30%超へ
次々世代の太陽電池に向けて,さまざまなアイデアが太陽電池分野に集まりつつある。その一つが,基板上に細いワイヤー状のSi(Siナノワイヤー)を並べるアイデアである。米General Electric Co.を含めて,世界各地で開発が進んでいる。
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カブトムシの無線制御,今後の研究の方向性
昆虫に電気信号を与えて無線制御する。このような研究を実現した米University of California, Berkeleyの新たな目標が見えてきた。同大学でこの研究を進めている佐藤裕崇氏のグループは,今後,昆虫の体内を巡る電気信号や蓄えているエネルギー源などに着目する。
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「太陽電池やLEDはもっと賢くなれる」,米National Semiconductor会長に環境分野の商機を聞いた
米National Semiconductor Corp. Brian L. Halla氏
世界規模のグリーン化の潮流は,半導体メーカーにどのような市場機会をもたらすのだろうか。「Green Device 2009」の基調講演で来日した米 National Semiconductor Corp.のBrian L. Halla氏(Chairman of the Board &CEO)に聞い…
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変換効率35.8%のシャープの太陽電池,コスト1/10,効率40%も視野に
シャープは,太陽電池の変換効率の最高値を更新して,35.8%を達成した。1000倍で集光すれば,45%を実現できそうだ。既に同社の技術者たちは,次の開発に向けて動き出している。目標はコスト1/10,非集光時のセル変換効率40%超である。40%超に向けた研究開発を加速するのは同社だけではない。究極の太…
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Intel Fellowが語った,メニー・コア時代の新トランジスタ技術
ここに来て,半導体業界では先端CMOSの独自開発と製造から撤退するLSIメーカーが相次いでいる。そうした中,「11nmまでは単独で開発するメドを立てている」(Tech-On!関連記事1)とする米Intel Corp.は“異次元”の存在だ。同社は2年ごとに着実に微細化を進めており,最近では32nm世…
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「光配向で液晶パネルを根本的に変える」――シャープ 水嶋氏
シャープは,液晶分子の配置方向を精密に制御できる光配向技術を使った液晶パネルの量産を開始した。同社では,光配向を「ASV」技術に代わる次世代の基盤技術と強調する。光配向を,「液晶パネルの技術者にとっての「夢」だった,液晶分子を自由に配向できる技術」と強調する,シャープの常務執行役員 研究開発本部長…
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超小型プロジェクタ,投影画像上で指なぞり操作を可能に
新しいユーザー・インタフェースを備えた超小型プロジェクタ技術が登場した。レーザー操作方式のカラー表示プロジェクタを使い,画像表示機能に加え,画面上をユーザーが指でなぞった動きを認識する機能を実現する。表示画像を指でなぞって回転や拡大をさせたり,別の画面を表示させたりという操作ができる。冷蔵庫の前面…
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3次元化の激安技術,TSV加工を50米ドル/ウエーハで
チップを3次元積層するための加工コストを劇的に低減する新技術が登場した。LSIなどのデバイスを複数チップ重ねて3次元化する際の加工コストを,現在の1ウエーハ当たり100数十米ドルから,業界目標の50米ドル以下/ウエーハへと大幅に削減できる可能性がある。3次元化の応用分野が,メモリーやLED,太陽電池…
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NEC,次世代携帯機器のMPU/SoCに向けた,多ピン・薄型LSIパッケージ技術を開発,FCBGAの代替狙う
NECは,多ピン・薄型・高放熱性という特徴を備えたLSI内蔵パッケージ技術を開発した。同社は,このパッケージの狙いや特徴,製造技術,評価結果に関する講演を「第19回マイクロエレクトロニクスシンポジウム(MES 2009)」(9月10日と11日に福岡大学で開催)で行った(セッション2A4の3番目と4番…
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Samsung,高感度の新型CMOSセンサー量産へ
韓国Samsung Electronics Co., Ltd.は,CMOSセンサーの感度を高められる裏面照射(BSI:backside illumination)技術を実用化し,2010年に製品を量産する。これで,CMOSセンサーの大手3社のすべてが,2010年までに裏面照射技術を使ったCMOSセ…
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大型テレビに挑む日本のベンチャ,動画再生に成功《訂正あり》
韓国Samsung Electronics Co., Ltd.,ソニー,パナソニック。世界の名だたる家電メーカーがしのぎを削る大型テレビ市場。ここでは各社が巨額の研究開発費を投じてパネル技術から画像技術までを開発し,さらに巨額の設備投資を敢行して熾烈な競争を繰り広げている。ベンチャ企業が,大手に伍…
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DRAMでも本格化するCu配線,高歩留まり・低コストを引っ提げ東京エレクトロンが装置事業に参入
ロジックLSIやフラッシュ・メモリーの高性能化をけん引してきたCu配線が,いよいよDRAMでも主流の技術となる。2009年に量産が本格化した50nm世代を境に,Al配線からCu配線へと本格的に移行する。
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相次ぐ接合技術の新提案,応用範囲をさらに拡大
7月末に開催された「第20回 マイクロマシン/MEMS展」では,接合技術に関する提案が製造装置メーカーなどから相次いだ。3次元積層やデバイスのパッケージングや異種デバイスの統合に向けたものである。MEMS向けで進化した加工技術としての接合が,ここへ来てその応用範囲を広げている。
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“JMEC”が設立へ,42億円のMEMS国プロの研究拠点に
「JMEC」(仮称)という名のMEMS研究開発コンソーシアムが,経済産業省の主導で始まる。欧州の研究開発コンソーシアムのベルギーIMEC(Interuniversity Microelectronics Center)と同様に,国際的にオープンな産官学共同の研究開発拠点となることを目指す。この設立に…