(3)ダイレクトとは,テレビなら画面の隅に,その時点での消費電力を表示することである。冷蔵庫なら扉の液晶に,エアコンなら手元のリモコンにということになるだろう。

 このような3種類の見える化を実現したメーカーの製品を十分に検証すれば,間違っても消費者を裏切ることは無いはずである。筆者が今,心配しているのは,初期の真空断熱を利用した冷蔵庫の消費電力である。初期の断熱性能が何年間持つのか,といったこともこうした見える化によって明らかになることだろう。

 自動車の見える化は,トヨタのホームページ,プリウスの燃費計などでかなり実現されているが,プリウスの燃費計と同等の機能をすべての車に設置することを,法的に強制すべきではないだろうか。

まとめ

 オバマ新大統領のグリーン・ニューディール政策が,今言われているような方向性を持つとしたら,日本は危機的な状況にならないとも限らない。それを防ぐには,現在のリードした状況を堅持しつつ,新しい方向性を見出す必要がある。

 幸いにして,米国の技術は細かい心づかいまでは無い。ウィンドウ型のエアコンの運転ノイズがひどいものが多いが,大体はそんなものである。

 新コタツ文明の説明をしなかったが,液晶テレビにこれを導入すれば,視野角可変型の液晶テレビ,そして最終的には,視線検知型テレビに行きつくことだろう。こんな方向性は,いくらなんでもグリーン・ニューディール政策は持ちえない。

 アメリカ文明は,やはり力づくの技術に頼ることになるだろう。きめ細かい節電のような方向性も,まずあり得ない。そこに,日本としての技術の方向性を見出すべきだろう。

 それには,まずはアイディアである。そして,現時点では商売にならなくても,長期的に見たときにエネルギー価格は低下することは無いので,将来を見据えた技術開発に投資をし始めることである。