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HOMEスキルアップマネジメント「技術競争力の検証」 > 車載エレによる燃費向上技術・様々な方面から運転者を支援

「技術競争力の検証」

車載エレによる燃費向上技術・様々な方面から運転者を支援

  • 朝岡拓也=SBIインテクストラコンサルタント・弁理士
  • 2008/11/20 13:00
  • 1/2ページ

 車載エレクトロニクスの環境関連技術の発展は目覚ましいものがある。今後の企業活 動においては,技術競争力の面で十分なサポートがなされているかが重要だ。環境 関連技術にはハイブリッド自動車,電気自動車,エンジンとトランスミッションの効率 向上,軽量化タイヤモニタリングなどテーマとしてさまざまあるが,本コラムでは、 特に環境に関する運転者支援技術について各社の技術競争力を検証した結果を紹介する (他の技術の分析はレポート「自動車の環境対策とエレクトロニクス化」を参照されたい)。

 カーナビゲーションシステムは車載エレクトロニクス技術の代表格といえるが,その機能はドライバーに行き先を案内するだけにとどまらない。VICSによる道路交通情報(トラフィックインフォメーション)から最適なルートや到着予想時間などを算出したり,地形図(トポグラフィックマップ)から自動車の運転状態を調整したりすることが可能となっている。

 また,運転情報(加速,減速,アイドリング時間)などからエコドライブ度合いを算出し,インスツルメンタルパネル内のエコランプやカーナビゲーションシステム(これらのシステムを紹介したアルパインおよび三洋電機のサイト)などで,経済的な運転をしているかどうかをドライバーに知らせる機能も実用化されており,燃費の向上に一役買っている。

 ここでは,これらの電子技術を運転者支援による燃費向上技術として捉えて特許分析を行い,特許面での勢力関係を明らかにする。分析には,公開されている特許情報をもとにして,特許を保有する企業の技術的な競争力を測る指標であるPCI(Patent Competency Index)を利用する。PCIとは,SBIインテクストラが独自に開発したもので,各特許の注目度などを被引用数や情報提供数などのリアクション数により計測し,個々の特許の質を数値化した指標である。

GPS式,VICSサービスからHDD内蔵型,通信型へ


●図1 運転者支援技術に関する特許の出願状況 (画像のクリックで拡大)

 図1は運転者支援技術の出願件数推移を示したものである。1988年の時点では10件に過ぎなかった出願件数が,1990年代前半には20件近くに緩やかに増加している。この時期はGPS式のカーナビゲーションが市販され始めた時期であり,発明の内容もGPS方式に対応するための出願が多い。

 その後,1996年に35件,1997年に50件前後まで増加する。1996年にはVICSサービスが開始されており,このVICS情報を用いて,より高度なナビゲーションを実現するための技術開発が盛んに行われていたものと推察される。

 出願件数は1998年,1999年と減少するが,2000年代になると継続して50件以上が出願され,2005年には出願件数が80件以上に達している。運転者支援技術が近年注目を集めるようになってきたことが分かる。2000年代はハードディスクドライブ内臓型カーナビゲーションへとトレンドが移るとともに,双方向性をもった通信型へと進化を遂げており,各社の活発な特許出願がカーナビゲーションの多機能化を支えていたことが分かる。

自動車メーカーとカーナビメーカーの関係は?


●図2 運転者支援技術に関する特許の出願件数上位21社 (画像のクリックで拡大)

 図2は運転者支援技術の出願件数上位21社を示したものである(自動車メーカーを青色で示した)。トヨタ自動車が61件の出願件数でトップとなった。同社は1997年に一度出願件数のピークがあった後,2000年に第2のピークを迎える(図3)。2001年以降は出願件数が下火だったが,2005年に10件が出願され,この技術分野へ再度注力してきているようである。1990年代後半の出願は最適な経路案内に関する出願が多い。GPSとVICSの情報に基づく技術開発が盛んであったことを裏付けている。同社はテレマティクスサービス・G-Bookを2002年に開始しており,2000年前後の出願には関連する技術も含まれている。また,ハイブリッド車両の駆動力をナビゲーション情報に基づいて調整する発明も含まれていた。


●図3 企業別に見た出願件数の推移 (画像のクリックで拡大)

 2位には日産自動車が入った。1990年代後半に年間出願件数を増やし,この分野でトップ水準になった後,2001年からも着実に出願件数を増加させている。同社もトヨタ自動車同様にテレマティクスサービス(カーウイングス)を2002年から提供しており,2001年以降の出願件数の増加はこのサービスを支える技術に関する発明であると考えられる。また,2006年には地上デジタルテレビチューナーを内蔵したカーナビゲーションの販売を開始しており(ニュース・リリース),近年急増した出願にはこのナビゲーションに関連する技術が含まれているものと考えられる。

 5位のマツダも含めて,自動車メーカーが積極的に出願し,この分野をリードしているといえる。そもそもカーナビゲーションによる燃費向上は,自動車メーカーの取り組みなくしては成り立たないため,今後もこれらの企業が精力的に研究開発を行うことで,運転者支援技術全体が活性化するものと考えられる。

 3位にカーナビゲーション世界シェアトップのデンソー,8位にエクォス・リサーチ(アイシン・エイ・ダブリュ子会社),10位にカーナビゲーション世界シェアトップクラスのアイシン・エイ・ダブリュがランクインしており,トヨタ系列が運転者支援技術に注力していることが分かる。

 カーナビゲーション「ストラーダ」を展開するパナソニックが4位,三菱電機が5位,富士通テンが7位となり,カーナビゲーション等による燃費向上という課題に取り組んでいるのが自動車関連メーカーだけでないことを示した。

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