まもなく午前9時。
あわてて購入する手立てを考える。
そうだ,新宿の量販店にかけてみよう。
すぐさま最寄り駅に向かう。

 祈るような気持ちで,新宿に向かう。
三軒目でようやく当日販売する店を見つける。
すぐさまほかの量販店で並んでいるYデスクとU記者に連絡する。

ここは異国の地

 列に並び,落ち着きを取り戻すと,なんとなく違和感を覚える。
その正体を探ろうと,周囲を観察する。
日本語が聞こえない。
一人で並んでいる人は少なく,みな仲間と並んで楽しそうに話している。
が,その内容がまったくわからない。
中国語なのだ。すぐ前方には中国人留学生らしき集団がいる。
そのなかの一人が,複数の紙袋を重ねて入れた大きな紙袋を持っている。
少なくとも10枚はありそうだ。
ひっきりなしにどこかに電話をかけている。
よく見ると手には別の量販店のDSi予約券を大量に持っている。
間違いない。転売目的の集団だ。
仲間は中国人だけではない。どうやらホームレスとおぼしき日本人男性も仲間に引き入れているようだ。予想以上に大規模である。

 中国人は彼らだけではない。後方にも何グループかいた。また韓国人のカップルもおり,国際色豊かな行列となっていた。

無事購入したが…

 店頭から流れる読売ジャイアンツの歌を聴きながら待つこと1時間。無事に黒色のDSiを購入。すぐにYデスクだけに電話する。
恐ろしくてU記者とは話せない。U記者は約5時間並んで購入しているのだ。一方,私は1時間並ぶだけで買えた。Yデスクも2時間ほどで購入できたようだ。U記者はさぞややりきれない思いであろう…(Tech-On!関連記事)。

 休み明け,U記者に会うと声が変わっている。
風邪をこじらせたらしい。
本人は,
「男性声になっちゃいました」
と明るく言っているが,本心はわからない。

 今回の件,そもそも分解担当のS記者のスケジューリング・ミスが発端だ。U記者の怒りの矛先がS記者に向かうことを祈るだけである。