行列の様子
行列の様子 (画像のクリックで拡大)

 夢を見ていた。特集記事の締め切りに間に合わず会社を追われるという。
重たくなった胃をさすりながら,目覚まし時計の音で目を覚ます。
時刻は7時30分。
予定通りだ。
おもむろに枕元にあるケータイを見るとメールの着信サインがある。
先輩のU記者からである。
メールを開くと
「ビック池袋本店は現時点で50人くらい並んでいる感じ(原文ママ)」
とある。
着信時刻を見ると朝の5時13分。
まずい。
今日は「ニンテンドーDSi」の発売日。
編集部はもちろん,親にまで行列好きだと思われている私は,発売日の朝に店に並ぶ,DSi購入班に組み込まれている。
長い特集記事の締め切りを間近に控えていようがおかまいなしだ。

 発売日前日,DSi分解のリーダーであるYデスクと今後の予定を相談したところ,
「DSを持っている人はたくさんいるし,それほど早く並ばなくても買えそう」
という結論に至り,朝8時ごろから並ぶことになっていた。
このときにはU記者は既に帰宅していたので,このやり取りは知らない。
しかし,それほど早く並ばなくても買えそう,ということは伝えた(はずだ)。
なので,まさか朝の5時から並ぶと思っていなかった。
気合が入り過ぎです…

 すぐさまメールを返信しようと考えたが,
「今頃起きたの?いいご身分ね。後輩のあんたが私より後に並ぼうなんて,どういう神経してんのよ?」
なんて風に思われそうなので,途中まで打った文章を消す。
(あっ,ちなみにU記者はこんな発言はしません。あくまで私の想像です。普段はやさしい方です)

 顔も洗わないまま,急いで近所のビデオ・レンタル店に向かう。
すると店の外に並んでいるのは二人しかいない。
「なーんだ,これなら安心」
と胸をなでおろし,すぐさま有楽町の量販店に並ぶYデスクとU記者に購入できそうな旨をメールで伝える。
その後,近くのコンビニに朝食と雑誌を買いに向かう。
しばらく店内で暖を取り,レンタル店に戻ったところ先ほどの人がいない。
不審に思い,店の周りをうろちょろしていると,
「本日,DSiの店頭販売の予定はございません」
と書かれた小さい立て札が目に飛び込む。